2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15654042
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
安藤 正海 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (30013501)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 弘 大学共同利用機関法人, 高エネルギー加速器研究機構・物質構造科学研究所, 助手 (80222058)
兵藤 一行 大学共同利用機関法人, 高エネルギー加速器研究機構・物質構造科学研究所, 助手 (60201729)
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Keywords | X線光学系 / X線暗視野法 / X線病理診断 / X線顕微法 / X線画像検出器 / 乳癌 / 肺癌 / 関節軟骨 |
Research Abstract |
開発中のX線暗視野法は3つの面から成り立っている。(1)大きい視野で臨床応用を目指す、(2)2次元像を用いて病理診断利用を目指す、(3)3次元像を用いて病理診断利用を目指す。これらをいずれも大いに前進させた。(1)については90mm x 90mm視野を達成した。これにより遺体を用いて肩、膝、指の各種関節軟骨の撮影を試みた。いずれも明瞭な画像が得られた。試料は大きくないが、臨床を目指している利用のもう一つである乳癌試料につき撮影を試みた。25mm x 35mmの大きさの試料を用いて吸収コントラストによっては得られない画質の像が得られた。しかも病理像に近く微細構造が映し出されていることが判明した。空間解像度は15〜20ミクロンである。(2)角度分析板を薄くすることにより空間解像度を上げる試みを行なった。その結果、推定5ミクロンが得られていることが判明した。しかもHematoxyline and Eosin染色した試料に見える構造と非常に良い一致を見たので、新しい分野X線病理診断が誕生する可能性が出てきた。(3)いままで世界競争であるが、開発し得なかった屈折原理に基づくCT用のアルゴリズムの開発に成功した。これを乳癌および肺癌試料に適用したところ、以前には誰も観察し得なかったそれぞれの内部構造が3次元で見えるようになった。これも新しくX線病理診断なる分野を切り開く可能性が高い。空間解像度は現在、用いるCCDカメラの性能により20ミクロンである。これらに用いるX線光学系は比較的簡単な構造で、かつ安定であるため放射光の臨床応用が促進される可能性が高い。
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Research Products
(7 results)