2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15654051
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山田 道夫 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (90166736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石岡 圭一 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (90292804)
大木谷 耕司 京都大学, 数理解析研究所, 助教授 (70211787)
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Keywords | 乱流 / 流体力学 / 力学系 / カオス / 統計性質 / 軌道不安定性 / 周期解 / アトラクター |
Research Abstract |
本研究は,乱流現象に対する新しいアプローチとして,相空間の不安定周期軌道によって乱流の定性的性質および定量的性質の説明を与える,という方法を探ることを目的としている.今年度は特に,強制2次元乱流および発達したモデル乱流を取り上げて,それぞれの乱流現象と不安定周期軌道の性質を比較検討することを念頭に,不安定周期軌道の性質の基礎的性質を調べ,コード整備を行った.乱流シェルモデル乱流については1つの不安定周期軌道によって乱流解の統計性質がよく表現されることを見出しているが,このような系で少数の軌道によって乱流解の統計性質が記述されることには,系の連続対称性の存在が重要な役割を果たしている,と考えられる.そこで,モデル乱流系において,系に人為的パラメータを導入して,連続対称性の有無を連続的にコントロールし,対称性の低い場合の多くの不安定周期軌道が,対称性が高い場合に対称変換によって互いに移りあう軌道となるかどうか,を調べている,これまでに対称性の低い場合の多くの不安定周期軌道を数値的に見出しているが,対称性が高い場合にこれらが予想される性質をもつかどうか,は現在進行中の課題であり2年度以降の課題である.またこのような対称性によって得られる不安定周期軌道全体がなす集合は低次元のものであるが,乱流解は高い次元をもっている.これはアトラクタが非常に薄い構造を持つことを示唆しており,この部分的な可視化を得ているが,これをより詳細なものとすることも次年度以降の課題である.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] S.Kato: "Unstable periodic solutions embedded in a shell model turbulence"Physical Review E. 68. 025302R-1-025302R-4 (2003)
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[Publications] K.Ohkitani: "Numerical Study of the Eulerian-Lagrangian formulation of the Navier-Stokes equations"Physics of Fluids. 15-10. 3251-3254 (2003)
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[Publications] 石岡 圭一: "円盤領域の浅水方程式に対するスペクトル法 II 計算例"ながれ(日本流体力学会). 22. 429-441 (2003)