2004 Fiscal Year Annual Research Report
光格子凝縮体を用いたボルテックスアレイ量子計算機の実現
Project/Area Number |
15654055
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高橋 義朗 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40226907)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊倉 光孝 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30324601)
|
Keywords | 量子計算 / 凝縮体 / 量子渦 / 光格子 / ラゲールガウス / 光トラップ / ルビジウム / スピン |
Research Abstract |
1995年に中性原子気体のボース・アインシュタイン凝縮(BEC)が実現されて以来、この分野は非常に多くの研究者から注目を集め爆発的勢いで発展しつつある。一方、量子情報処理の分野も大変活発で、新しい物理系で量子計算機を実現しようという野心的な試みが盛んに行われている。本研究は、上記の新しい二つの分野を融合させて、そこに極めて革新的な発展・成果を結実させようというものである。 本研究の目的は、まず全光学的に生成したボース凝縮体を炭酸ガスレーザーによるマイクロメータースケールという超長周期光格子に導入し、その各格子点に任意の次数の量子渦を全光学的に生成することにより、全く新しい「量子渦列(ボルテックスアレイ)」を形成すること、そしてこれを用いて多数量子ビットの量子計算機を実現することである。 すでに、炭酸ガスレーザー(現有)を用いた光トラップにより全光学的にRb原子のBECを生成することに成功し、さらに、生成したBECを炭酸ガスレーザーによる光格子に導入することに成功した。これは、交差型光ビームのための2本のレーザー光のうち、1本のみを残しそれを定在波とすることで実現された。そして、次に、光トラップ中のBECに、純光学的に量子渦を生成するために必要となるラマン遷移を、ガウスビームに対して行うことに成功した。極めてSNよく、共鳴を観測することができた。これを今後申請者が考案した軌道角運動量を持つラゲールガウシアン光ビームを使う新しい方法を使うことにより、今までの方法では不可能であった高次の渦や逆回転の渦を生成することが可能となる。実験的にラゲールガウシアン光ビームを生成することは容易であり、実際、ホログラムを用いて安定に生成することに成功している。すでに光学系は組みあがっており、これを用いて量子渦を生成することが可能になった。
|
Research Products
(4 results)