2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15654059
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
兼松 泰男 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00211855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱田 格雄 科学技術振興機構, 研究員
中村 亮介 科学技術振興機構, 研究員
谷 正彦 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00346181)
市田 秀樹 ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー, 講師(中核的研究機関研究員)
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Keywords | THz / ホールバーニング / 蛋白質 |
Research Abstract |
平成15年度の研究において,我々はTHz領域での飽和分光・ホールバーニング分光を行うためのシステム構築及び,THz領域における生体関連物質の吸収スペクトルの測定を行った.その概要を下記に示す. THz領域には,水の吸収が存在することがよく知られている.しかし,生体関連物質には多数の水分子が含まれていること,またその溶媒が水であることから,水の影響を少なくするために反射型のTHz分光光学系の構築を行った.THz波の信号発生及び検出には,フェムト秒mode-lock Ti : sapphireレーザー(〜100fs,800mW,80MHz)をダイポール型の光伝導アンテナに集光し,駆動させることによって行った.また,生体関連物質の光学系への取り込みを容易にするために,試料部分は倒立型の分光系とした.測定系の評価をするために,代表的な蛋白質試料であるリゾチームや,BSA,パパインにおいてTHz反射分光測定を行った.その結果,どの試料においても1THz以下の低振動数領域においてブロードな吸収が存在することが分かった.この領域のバンドは,蛋白質やアミノ酸の実際のダイナミクスを反映しており,生体分子の機能を深く関わっていると考えられているが,その特性は未だに明らかになっていない.今後は,光によってその機能が制御されうる光受容蛋白質へ上記のシステムを応用し,1THz以下の低振動数領域での蛋白質のダイナミクスを明らかにすること,その結果をふまえて、高強度THzを用いた吸収飽和分光・ホールバーニング分光を行う.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] R.Nakamura, Y.Kanematsu: "Femtosecond spectral snapshots based on electronic optical Kerr effect"Rev.Sci.Inst.. 75. 636 (2004)
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[Publications] 兼松泰男, 中村亮介, 濱田格雄, 徳永史生: "光受容蛋白蛍光分光測定への超高速カーゲート法の適用"レーザー研究. 32. 78 (2004)
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[Publications] 徳永史生, 濱田格雄, 細川陽一郎, 中村亮介, 安達宏昭, 兼松泰男, 森勇介, 佐々木孝友, 増原宏: "分子配列による蛋白モジュールの開発を目指して"化学工業. 54. 358 (2003)