2004 Fiscal Year Annual Research Report
照射年代法による先史時代の陸橋形成に関する基礎的研究
Project/Area Number |
15654077
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Research Institution | National Museum of Japanese History |
Principal Investigator |
今村 峯雄 国立歴史民俗博物館, 研究部, 教授 (10011701)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀内 一穂 弘前大学, 理工学部, 助手 (00344614)
KIM Kyeong New Mexico大学, Inst・ of Meteoritics, 研究員
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Keywords | 陸橋 / 宇宙線精製核種 / 年代測定 / 氷河性海水準変動 / 国際研究者交流 / 米国 |
Research Abstract |
極氷期における大陸や島嶼の間の陸橋形成とその時期に関する問題は人類や動物の起源と変容を考える上で重要であり、また最終極氷期から縄文時代草創期に至る日本近海の海水準は、日本における旧石器時代から縄文時代に至るの自然環境を考える上でも重要である。一方、日本列島という地殻変動の大きな地域において海水準変動を推測することはかなり困難が伴う。そこで、本研究グループは、宇宙線が地表物質を貫通して地下に形成する放射性同位体の生成量から、過去の海水準の履歴についての情報を得る新しい年代測定の方法の開発に取り組んでいる。本研究は、具体的に津軽海峡に研究フィールドを設定し実証的なデータを積み上げ、測定データとシミュレーションによる解析との比較からその有効性と課題を検討することとした。 1.本計画に先行する研究である、津軽海峡の海底下の岩石(青函トンネル調査資料)の成果がNU clear Istruments and Methods誌(2004.9)に掲載された。 2.青森県下北半島福浦の津軽海峡において、潜水による資料収集調査を行った(2004.8)。海流の流れが速く堆積物の影響がない、緩やかに傾斜した水面下2〜35メートルの岩床(または巨岩)から、潜水作業により約20の花崗岩を主体とする試料を採取した。 3.これらの試料を粉砕し石英を物理的分離精製し、それぞれ20-40グラムを得た。石英資料から分離した^<10>Be、^<26>Al、^<14>C測定資料を、AMS(加速器質量分析)で測定する準備を進めている。1と同様にミュレーションによる解析を行う予定である。 4.約2万年前の富士火山埋没材(400年輪)について炭素14測定を行った(オランダ・フローニンゲン大学との共同研究)。大気炭素14濃度に微細構造が存在することが明らかになった。
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Research Products
(1 results)