2004 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマ化学反応を利用したカーボンナノチューブの制御成長
Project/Area Number |
15654081
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
林 康明 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (30243116)
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Keywords | カーボンナノチューブ / 単層カーボンナノチューブ / プラズマ / プラズマCVD / 微粒子 / 微粒子プラズマ / CVD / DCプラズマ |
Research Abstract |
今年度は、単層カーボンナノチューブの作製効率の増大と、その精製方法に関する開発を行った。 単層カーボンナノチューブ作製効率増大では、まず、触媒金属微粒子の供給源となるフェロセンの気化導入方法で、容器を真空装置内部から真空装置外部へと移し、より大きな体積の容器を利用できるようにした。また、これまで熱フィラメントとDC放電を利用してきたが、今回はDC放電に代えてRF放電を利用し、より長く安定して放電を持続させた。その結果、炭素微粒子の収量が昨年度よりも数倍増加した。 単層カーボンナノチューブの精製方法では、収集された炭素微粒子に温度を加えて空気中で酸化を行った。一定の温度で一定の時間、酸化を施し、そのたびに電子天秤による重量測定とラマン分光のグラファイトGピークとアモルファスDピークの高さの比を調べた。その結果、350℃以上での酸化でG/D比に変化があり、単層カーボンナノチューブ以外の不純物を取り除く効果があることがわかった。その効果は酸化温度と共に増加したが、単層カーボンナノチューブも酸化されて全体的に重量が減少した。このため、温度は350℃一定とし、一定の時間ごとに重量とG/D比の変化を調べた。40分まではG/D比が増加し、平均値として50近い値が得られた。しかし、60分間酸化を施すと逆にG/D比が減少した。一方、重量は2分間の酸化で初めの2/3ほどに減少したが、その後は1割程度の現象に留まった。これらの結果に対して、触媒金属である鉄が酸化され酸化鉄として残存したことが原因しているものと考えられる。
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Research Products
(2 results)