2003 Fiscal Year Annual Research Report
膜タンパク質機能制御を目指した梯子状ポリエーテルライブラリーの合成
Project/Area Number |
15655033
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大石 徹 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90241520)
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Keywords | 合成化学 / 生物活性 / ポリエーテル / コンビケム / 有機化学 / モデル分子 / 収束的合成 / 分子デザイン |
Research Abstract |
赤潮の原因毒であるブレベトキシン類に代表される梯子状ポリエーテル化合物は,電位依存性ナトリウムチャネルに結合して強力な神経毒性を発現するが,この他にも標的タンパク質の不明な梯子状ポリエーテル毒は数多く存在している。本研究では,有機合成化学的アプローチを基本戦略とし,ポストゲノムサイエンスを指向した新たな分子プローブの創製を目的とした。すなわち梯子状ポリエーテル構造が高い親和性と選択性でタンパク質の膜貫通部位を認識することに着目し,有機合成化学的手法を用いて種々の人工ポリエーテル分子をコンビナトリアルに合成し,得られた梯子状ポリエーテルライブラリーの新たな分子プローブとしての可能性を探索する。今回,強力な細胞毒性を有するジムノシンAに注目し,角間メチルを持ち主に6/7/6環システムの繰り返し構造からなる6/6/7/6/6/7/6七環性モデル化合物の合成を計画した。繰り返し構造を同時にワンポットで構築できれば工程数を大幅に短縮できると考え,多重環化法を適用することにした。即ち,三つのフラグメントを連結して合成したジエステルに対し、低原子価チタンを用いるジチオアセタールとエステルとの分子内環化反応(武田反応)を行ったところ,低収率ながら期待通り二重環化が進行し六環部を構築できた。ヒドロキシジチオアセタールの二重環化反応により七員環を構築し,最後に角間メチルを導入して七環性化合物の合成に成功した。今後,環化反応の収率の向上を検討すると共に、6/6/7/6/6/7/6/6/7/6十環性化合物の合成を検討する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Tohru Oishi: "Convergent Synthesis of trans-fused 6/n/6/6 (n=7,8) tetracyclic ether system via α-cyano ethers"Tetrahedron Letters. 44. 7315-7319 (2003)
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[Publications] Tohru Oishi: "Synthesis of endogenous sperm-activating and attracting factor isolated from ascidian ciona intestinalis"Tetrahedron Letters. 44. 6387-6389 (2003)