2003 Fiscal Year Annual Research Report
表面ゾル-ゲル法を利用した多糖系遺伝子診断システムの開発
Project/Area Number |
15655064
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
新海 征治 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (20038045)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 典史 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (10346819)
竹内 正之 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (70264083)
佐田 和己 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (80225911)
|
Keywords | シゾフィラン / 多糖 / 核酸 / 有機・無機複合材料 / 水晶発振子 / ゾル-ゲル反応 |
Research Abstract |
本研究は核酸と複合化した多糖の高次構造を表面ゾル-ゲル法を用いて無機物に記憶させ、有機・無機複合型の全く新しい核酸分離システムを開発することが目的である。計画初年度である本年度は、核酸との親和性向上を目的とした多糖への選択的化学修飾法の確立と、多糖の予備組織化のための還元末端へのチオール基の導入について検討を行った。一部の多糖誘導体については金基盤上への固定化を行い、その最適条件の検索を行った。 1.側鎖の選択的酸化による化学修飾シゾフィランの合成 核酸との親和性向上を図るため、カチオン性残基をシゾフィラン側鎖に導入することを検討した。特に、生体物質との適合性という観点から天然のアミノ酸であるアルギニン残基の導入を検討することにした。過ヨウ素酸による側鎖ジオールの選択的酸化と続く還元的アミノ化を経て、目的とするアルギニン修飾シゾブィランを合成することができた。また、同様の手法でリジンやセリン修飾シゾフィランも得ることができた。 2.スルフィド結合によるシゾフィラン2量体の合成 得られたアミノ酸修飾シゾフィランの還元末端にエチレングルコールをスペーサーとしてスルフィド基を導入した。得られたスルフィド化シゾフィランを酸化処理することによって糖鎖2本が予備組織化されたシゾフィラン2量体を得ることができた。ゲルカラムクロマトグラフィーによる分子量測定と元素分析によって目的物であることを確認した。 3.スルフィド結合を介した金基盤への固定化 スルフィド基を導入したシゾフィランと1-ブチルスルフィドの混合膜を金基盤上に作成することを検討した。まずはじめに、金表面の被覆率と混合膜中のシゾフィランの割合を正確に評価するために、水晶発振子を基盤として用いた。シゾフィランと1-ブチルスルフィドの割合を連続的に変化させながら振動数変化を測定することにより、混合比と実際の担持比の相関関係を得ることができた。今後このデータを基に表面ゾルゲル反応を行い、核酸との高い親和性を持った有機-無機ハイブリッドシステムの構築を目指す。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] M.Numata et al.: "Polysaccharide-Polynucleotide Complexes Part (15) : Thermal Stability of Schizophyllan (SPG)/PolyC Triple Strands is Controllable by α-Amino Acid Modification."Bioorganic Chemistry. 31. 163-171 (2003)
-
[Publications] T.Matsumoto et al.: "Chemically-modified Polysaccharide Schizophyllan for Antisense oligonucleotides Delivery to Enhance the Cellular Uptake Efficiency."Biochimica et Biophysica Acta-General Subjects. 1670. 91-104 (2004)
-
[Publications] K.Koumoto et al.: "Low Mw Sulfated Curdlan with Improved Water-solubility Forms Macromolecular Complex with Polycytidylic Acid."Carbohydrate Research. 339. 161-167 (2004)