2004 Fiscal Year Annual Research Report
中性子スピンエコー法よる高分子グラフト鎖のナノスケールダイナミクス
Project/Area Number |
15655081
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
金谷 利治 京都大学, 化学研究所, 教授 (20152788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田崎 誠司 京都大学, 工学研究科, 助教授 (40197348)
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Keywords | 中性子スピンエコー法 / グラクト鎖 / ナノスケールダイナミクス / 高分子ミセル / ジムモード / 呼吸モード / グラクト密度 / 第2ビリアル係数 |
Research Abstract |
固体表面に片端を固定された高分子鎖はグラクト鎖と呼ばれ、表面摩擦、表面濡れ、コーティングの問題など多くの重要な問題と関係している。しかし、グラクト鎖ダイナミクスは表面摩擦や選択吸着等外場応答に大きな役目を果たしているにもかかわらず、その研究は進んでいない。本研究ではナノメートルスケールのダイナミクスを直接観測することができる中性子スピンエコー法を用いて、高分子ミセルのコロナ鎖のダイナミクスを調べた。試料としてはスチレン(重水素化物)-ブタジエンジブロック共重合体及びスチレン(重水素化物)-イソプレンジブロック共重合体が選択溶媒である重水素化デカン中で形成する高分子ミセルを用いた。溶媒の散乱長が高分子ミセルのコアにほぼ一致しているため、本実験ではコロナ部分の鎖の運動が主に観測される。スチレン(重水素化物)-ブタジエンジブロック共重合体では一本鎖の運動ジムモード観測されたものに対して、スチレン(重水素化物)-イソプレンジブロック共重合体では高分子鎖の共同運動である呼吸モードが観測された。二つのミセルの表面グラフト密度に大差がないことより、この原因は溶媒との相互作用を表す第2ビリアル係数がポリブタジエンとポリイソプレンで大きく相違しているためであると考えられる。さらに、高分子ゲルのナノスケールダイナミクスについても中性子スピンエコー法を用いて調べた。
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Research Products
(2 results)