2004 Fiscal Year Annual Research Report
混合ポリマーブラシによる表面ナノ構造制御とその利用
Project/Area Number |
15655082
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
辻井 敬亘 京都大学, 化学研究所, 助教授 (00217308)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 工司 京都大学, 化学研究所, 助手 (00335217)
後藤 淳 京都大学, 化学研究所, 助手 (20335219)
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Keywords | ポリマーブラシ / 相分離 / リビングラジカル重合 / グラフト重合 / 表面モルホロジー |
Research Abstract |
材料の表面モルホロジーは、表面摩擦、ぬれ性、接着性、生体適合性などめ表面特性と深く関わっており、その制御、特にナノスケールでの制御は、新しい機能性表面の設計において極めて重要である。本研究では、構造因子(鎖長、鎖長分布、密度、分率など)の制御された非相溶異種高分子を2段階精密グラフト重合法により材料表面にランダムにグラフト(混合ポリマーブラシの構築)し、ナノスケール空間での相分離を利用した表面モルホロジーの制御を目指した。 本年度の主な成果は以下のとおりである。 (1)昨年度に引き続き、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)/ポリスチレン(PS)混合ブラシのナノ相分離構造の解明に取り組み、ジクロロメタン(両者の良溶媒)処理により得られる均一な超薄膜においても、その内部にナノ相分離構造が形成されていることを発見した(PMMAの選択的プラズマエッチングにより、数十nmオーダーの特異な表面モルホロジーの出現を確認した)。 (2)より構造の明確で多様な混合ブラシの構築を目指して、原子移動ラジカル重合(ATRP)およびニトロキシル制御ラジカル重合(NMP)の固定化開始剤を種々検討し、開始剤の単分子層固定化(グラフト密度比のより精密な制御)ならびに重合可能モノマー種の多様化(例えば、トリフェニルアミン含有モノマーのNMP)に成功した。 (3)親水性高分子を一成分とする混合ブラシを合成するために、NMP開始反応がほぼ起こらない低温で、メタクリル酸プロポキシエチル(重合後、脱保護によりメタクリル酸へ変換)、メタクリル酸ヒドキシエチルの重合を検討し、構造の制御された高密度親水性ブラシの合成に成功した。
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Research Products
(1 results)