2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15656009
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
川口 建二 独立行政法人産業技術総合研究所, 界面ナノアーキテクトニクス研究センター, 主任研究員 (80344141)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 薫 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (30169924)
佐々木 毅 独立行政法人産業技術総合研究所, 界面ナノアーキテクトニクス研究センター, 主任研究員 (50344130)
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Keywords | ボロンナノワイヤー / レーザーアブレーション / 結晶性 / 導電性 |
Research Abstract |
1.高濃度・高品質結晶性ボロンナノワイヤー合成手法の確立 Nd:YAGレーザーの3倍波(355nm、2.5W)を使った、レーザーアブレーション法によるボロンナノワイヤーの合成条件の探索を行った。なお、99.5%及び99.995%純度の焼結ボロンペレットを購入した原料ターゲット、及び試料収集の石英基板を含む試料合成系全体を石英管状炉中に組み込んでいるので、アブレーション温度は合成系全体の温度を示している。 (1)試料作製温度依存性 試料作製を600〜1,000℃の範囲で100℃間隔で変化させ、その生成試料の高分解能走査電子顕微鏡(HRSEM)観察の結果から、600℃以下ではナノワイヤー状試料の生成はほとんど認められず、1,000℃まで高温になるとワイヤー径の分布が非常に大きな試料が得られた。800℃における合成が、ワイヤー径が50nm近傍に揃って生成効率も最も高いという結果が得られた。 (2)真空度依存性 試料合成温度を(1)の結果で最適条件と思われる800℃に固定して、15〜100PaのAr圧力範囲で検討した結果では顕著な真空度依存性は見られなかった。 2.結晶性ボロンナノワイヤーの物性評価 現在のところ100%に近い純度でボロンナノワイヤーを生成することには成功していないので、可能な物性評価法としては、不定形ボロン粒子に混じったナノワイヤーを選択的に評価出来る手法に限られる。最も簡便な手法として、AFMによる導電性測定を試みた。予めSi基板上にAu薄膜を蒸着した測定基板を用意し、有機溶媒中に分散させた試料を滴下乾燥させたものをコンタクトモードAFMで観察した。ボロンナノワイヤーがAuに比べて著しく低い導電性を示すことは定性的に確認できたが、溶媒中に混入した微量な汚染物の影響でコンタクトプローブと基板との接触が不安定なため、定量的な評価にまでは至らなかった。現在、電子線リソグラフィーを用いた4端子測定の手法を検討している。
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Research Products
(1 results)