2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15656009
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
川口 建二 独立行政法人産業技術総合研究所, 界面ナノアーキテクトニクス研究センター, 主任研究員 (80344141)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 毅 独立行政法人産業技術総合研究所, 界面ナノアーキテクトニクス研究センター, 主任研究員 (50344130)
木村 薫 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (30169924)
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Keywords | ボロン / ナノベルト / 正方晶 / 可変領域ホッピング / レーザーアブレーション |
Research Abstract |
平成15年度の研究成果で、単結晶の正方晶ボロンナノベルト(BNB)の再現性良い作製条件は見いだされたので、平成16年度に関しては、その物性評価に主点を置き、以下のような成果を得た。 1.電気伝導度測定法の開発 平成15年度にはAFMによる伝導度測定を試み、定性的な評価には成功したが、定量評価を行うには限界が有ることも判明した。本年度は、電子線リソグラフィーの手法を用いて、あらかじめ表面を熱酸化させて絶縁を取ったシリコン基板上に試料のBNBを分散し、走査型電子顕微鏡によって試料位置を確認した後、微細電極を作製する技術を開発した。理想的には4端子電極が望ましいが、BNBが電極物質に比べて著しく高抵抗であることと、適切な接合条件を見いだすことで、電極作製上はるかに容易な2端子法を用いても十分に物性評価が可能であることを明らかにした。 2.BNB試料への元素ドープ バルクのボロンにおいて実績の有る電荷付与の手法として、加熱した石英閉管内で蒸気に試料を晒すことで、アルカリ土類軽元素であるMgのドーピングを行った。電子顕微鏡による分析からは、試料表面への部分的なMgの析出も認められるが、下記の伝導評価などから総合してほぼ良好なMgドープは実現できていると考えられる。 3.電気伝導評価 試料形状による依存性は見られるが、得られた伝導度は10^<-4>(Ωcm)^<-1>のオーダーで、バルクのαとβ菱面体ボロンの中間的な値を示している。また、温度(T)依存性を調べるとT^<-1/4>でスケール可能であり、バルクボロンなどで知られている可変領域ホッピング伝導で有る可能性が高いと考えられる。また、Mgドープ試料においては、伝導度が2桁も上昇し、かつ温度依存性が同じくT^<-1/4>でスケールされることから、良好に均一ドープされたことが分かった。ただし、Mgドープ量の規定が出来ていないので、ドープ量による定量的な評価は出来ていない。
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Research Products
(3 results)