2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15656017
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
斗内 政吉 大阪大学, 超伝導フォトニクス研究センター, 教授 (40207593)
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Keywords | フェムト秒光パルス / 光磁束量子変換 / 希土類鉄ガーネット / 磁気光学顕微鏡 / Bi_2Sr_2CaCu_2O_<8+δ> / YBa_2Cu_3O_<7-δ> / ファラデー効果 / 磁束量子フロートランジスタ |
Research Abstract |
本研究では、申請者が見出した光磁束量子変換効果を用いて、フェムト秒光パルメ信号による2次元光情報制御の可能性を探ることを目的とする。平成15年度は、高温超伝導体中に存在する磁束量子を観測するための磁気光学顕微鏡の構築と、その観測への応用を行った。その結果、以下の成果を得た。 1.ファラデー素子にはBi置換型希土類鉄ガーネットを用い、CCDカメラによりリアルタイムで観測できる磁気光学顕微鏡を構築し、磁場印加が可能であり、試料温度を65Kまで冷却可能なクライヨスタットと組み合わせた磁気光学顕微鏡システムを開発した。そのとき、空間分解能約2μmを得た。 2.高温超電導体であるBi_2Sr_2CaCu_2O_<8+δ>単結晶における磁束の侵入の観測をした。そのとき、単一磁束量子の観測に成功した。 3.約66Kまで零フィールドクールした試料に対して、c軸方向に約1600eの磁場を印加した際、試料表面の剥離しかかった極薄片部において特徴的なa軸方向に沿って並んだ磁束量子の観測に成功した。 4.温度上昇に伴って、壁開面に存在する段差部分に沿って磁束量子が侵入する過程が観測された。 5.デバイスへの応用を目指して、YBa_2Cu_3O_<7-δ>薄膜を用いて磁束量子フロートランジスタを設計・試作した。 6.磁束量子フロートランジスタを開発した磁気光学顕微鏡により観測し、磁界の分布を観測した。しかし、表面凹凸などにより分解能は不十分であり、平坦化薄膜を用いるなど改善課題が明らかとなった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] M.Tonouchi, H.Murakami: "Optical Control of Vortices in YBCO Thin Films"Abstracts of 10th international Workshop on Oxide Electronics. 118-118 (2003)
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[Publications] 上野晃, 川山 巌, 村上博成, 斗内政吉, 筑本智子: "高温超伝導体中の磁束分布観測用磁気光学顕微鏡システムの構築"光物性研究会講演概要集. 14. 219-222 (2003)
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[Publications] K.Ueno, I.Kawayam, H.Murakami, M.Tonouchi, N.Chikumoto: "Magneto-Optical Imaging System to Study Vortex Dynamics in High-Tc Superconductor Devices"Chinese Journal of Physics. (In press). (2004)
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[Publications] K.Ueno, Y.DodaI.Kawayam, H.Murakami, M.Tonouchi, N.Chikumoto: "Magneto-optical Imaging of Magnetic Field Distribution Pattern in High-Tc Superconductor Circuits"Physica C. (In press). (2004)