2004 Fiscal Year Annual Research Report
ウラン236加速器質量分析による新しい核不拡散条約順守検証方法の開発研究
Project/Area Number |
15656021
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
長島 泰夫 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (60091914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹 公和 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科(研究基盤総合センター)(応用加速器部門), 講師 (20312796)
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Keywords | AMS / 加速器質量分析 / ウラニウム236 / 核不拡散条約 |
Research Abstract |
本年度は、来年度に実施する^<236>U検出実験を可能とするための、以下の研究開発を行った。 1. 静電加速器の安定化:^<236>Uを安定に加速するために、荷電変換部位において極力小さな焦点を結ぶ必要のある事が判明した。そのために圧縮型加速管を通常型加速管に交換し、加速管内部のビーム光学系の改善を計った。その結果、荷電変化部におけるビームサイズを〜8mmから〜5mmに縮小する事が出来、鉛218のテスト実験から、ビーム転送効率が従来の2倍程度向上出来た事がわかった。又、昨年度開発したコロナトライオード制御回路の改良を進め、パイロットビームを用いることなく加速電圧を安定化し、^<236>Uの加速に支障のない総合的な性能を得ることが出来た。 2.粒子識別用ガスΔE1+ΔE2+イオン注入半導体検出器を測定系に組み込み、重粒子(^<129>I,^<36>Cl)を用いて性能テストを行った。その結果アイソーブタン電離ガス、ΔE1、ΔE2=380V、アノード電圧=480Vで最適動作をし、この動作条件で^<236>Uをその他の中重元素から識別して測定できることを確認できた。 3.擬似ウラニウム試料の準備:ウラニウムを含む試料の入手に来年度まで要する見通しである事から、鉛を用いて擬似的にウランを抽出する方法の開発を行い、土壌サンプルからウランを抽出する方法の確立を計った。ヨウ素試料作成用に用意されている3連電気炉の燃焼装置を用いて既知量の鉛(Pb)を混合した土壌からPbを取り出すテストを実施した。現在、この擬似試料を用いて、加速器による^<236>U-AMS測定のシュミレーション実験を行う段取りを進めている。この経験を基として来年度実試料を入手出来次第、直ちに^<236>U-AMS測定を試みる予定である。
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Research Products
(4 results)