2003 Fiscal Year Annual Research Report
希土類磁石を利用した超小形高周波振動研磨工具の開発と微細径円管内面研磨への応用
Project/Area Number |
15656034
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
進村 武男 宇都宮大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30008049)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 ひとみ 宇都宮大学, 工学部, 助教授 (40282595)
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Keywords | 振動研磨工具 / 微細管内面 / 希土類磁石 / 高周波振動 / 鏡面仕上げ / 変動磁場 |
Research Abstract |
本研究は、トンネルや高速道路の照明に使用される高輝度・高圧ナトリウム発光管(99.99%以上の高純度アルミナ)などの入り口が狭くて内部が広い微細径円管内面を超精密研磨加工できる新技術の開発を目的にしている.小形希土類磁石を採用し,この磁石を核としてその回りにクッション作用と研磨作用を有する層を持つ「新しい磁性研磨工具」を製作し,微細管の外部に設置した静磁場と変動磁場により,静磁場は研磨工具に研磨圧力を,変動磁場は研磨工具に高周波振動を与えるようにした「高周波振動研磨工真とその加工システム」を開発する.小形の高周波振動研磨工具により,細管及び樽形異形管内面の高能率・高精度磁気研磨技術の実現が期待できる. 本年度において得られた成果は下記の通りである. 1 まず,振動研磨加工が実験できる装置を製作した.つぎに,各種の小形「希土類磁石」を用いて変動磁場における挙動を観察した結果,5mm径の球形希土類磁石を核として,その回りWA#4000の砥粒を混入したエポキシ樹脂接着剤からなる磁性工具が高周波振動研磨工具として機能を発揮することを明らかにした. 2 交流変動磁場の振動数を100Hz,760巻電磁コイル2個を工作物円管軸方向に16mm離して直列に配置し,4Aの励磁電流を通電して磁性研磨工具の挙動を観察した結果,磁性研磨工具は外部磁場に追従して微小振動することを確認した. 3 この磁性研磨工具を用いて,外径10mm,内径9mmのステンレス鋼円管内面の鏡面仕上げ実験を行った結果,円管内面の加工前表面粗さ14.7μmRzを0.04μmRzの鏡面に仕上げることに成功した. 4 なお,円管内面全面にわたる鏡面仕上げを実現するには工夫が必要であるが,次年度で解決したい.
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