2003 Fiscal Year Annual Research Report
圧電素子の超音波振動を利用した動的運動誤差補正可能な非接触駆動型モータの開発
Project/Area Number |
15656045
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
久曽神 煌 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (20016661)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 忠男 株式会社第一測範製作所, 製造部, 常務取締役(研究職)
磯部 浩已 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (60272861)
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Keywords | 超音波モータ / スクイーズ効果 / 非接触モータ / 圧電素子 / 微小位置決め / 運動誤差補正 |
Research Abstract |
超音波モータは,構造が単純で,磁界を発生せず,直接駆動で減速器が不要であるので静粛に駆動することから,その応用技術の開発が進められている.本研究では,ステータの超音波振動でロータを非接触支持すると同時に,ロータを非接触で回転させる超音波モータを試作する.一般的に空気案内機構は,減衰特性が乏しく,ロバスト性に乏しい欠点がある.ここでは,ロータの半径方向運動誤差を動的補正するシステムを構築し,ロータの高精度案内を実現する. 駆動周波数23.9kHzにおいて,周方向に伝播するたわみ進行波の変位振幅が0.3μm(実測値)となるステータを製作した.たわみ進行波の伝搬方向は,圧電素子に印加する電圧の位相差によって逆転させることが可能であり,位相差を制御することによって,ロータの回転速度が変化することが確認された.また,ある位相差においては十分な回転力が発生せずに,ロータが静止する不感帯が存在するが,定在波たわみ振動によって発生する負荷容量によって,ロータの非接触支持状態は保たれていた.さらに,回転速度は振動振幅に対して線形に変化するが,回転方向による特性の違いはほとんど無いことが確認された.また,振動振幅がある一定値を超えるまで,ロータは回転しないことがわかった. ロータの半径方向運動誤差を静電容量型変位計で検出し,これを取り除くようにPI制御系を構築した.実験の結果,補正のない場合には±0.5〜1μm程度であった半径方向運動誤差は,運動誤差補正によって±0.1μm以内に収まり,その効果が明らかとなった.
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