2004 Fiscal Year Annual Research Report
圧電素子の超音波振動を利用した動的運動誤差補正可能な非接触駆動型モータの開発
Project/Area Number |
15656045
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
久曽神 煌 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (20016661)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯部 浩已 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (60272861)
福島 忠男 株式会社第一測範製作所, 取締役相談役(非常勤・研究職)
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Keywords | 超音波モータ / スクイーズ効果 / 音響放射圧 / 圧電素子 / 音響粘性流 / 運動誤差補正 |
Research Abstract |
超音波モータは,構造が単純で,磁界を発生せず,直接駆動で減速器が不要であるので静粛に駆動することから,その応用技術の開発が進められている.一方,一般的に空気案内機構は,非接触で高精度案内を実現できるが,減衰特性やロバスト性に乏しい欠点がある.ここでは,円筒状のステータの中に,わずかなすき間を介してロータを配置する非常にシンプルな構造のモータを構築する.そして,ステータに周方向に伝搬する超音波たわみ進行波を発生させることで,ロータを非接触支持すると同時に,ロータを非接触で回転させる超音波モータを試作した.さらに,ロータの半径方向運動誤差を動的補正するシステムを構築し,ロータの高精度案内を実現した.空気膜のばねや減衰特性,ロータの質量などから構成されると考えられるロータの振動系の動特性を,圧電素子にステップ上の印加電圧を与えた時のロータ位置の時間的変動から算出した.駆動周波数23.9kHzにおいて,周方向に伝播するたわみ進行波の変位振幅が0.3μm(実測値)となるステータで,軸受すき間10μmの場合,空気膜のばね定数0.028N/μm,減衰比0.38を得た.また,ロータの運動誤差をリアルタイムで補正する制御系を構築し,半径方向運動誤差補正を行い,周波数特性を測定した.その結果,周波数10Hz以下程度の外乱に対しては,補正可能であることが確認された.以上の結果,本機構を精密測定器などの回転数の低い機器に導入できる可能性を見いだした.
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