2003 Fiscal Year Annual Research Report
磁気ナノ構造流体の多機能性を利用した先進医療および福祉工学への展開
Project/Area Number |
15656046
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西山 秀哉 東北大学, 流体化学研究所, 教授 (20156128)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 岳彦 東北大学, 流体化学研究所, 講師 (10302225)
|
Keywords | 機能性流体 / MR流体 / クラスター構造 / 流動特性 / レオロジー特性 / マイクロ・ナノスケール / MRバルブ / 医療工学 |
Research Abstract |
本研究では、磁場下で半固体および流動特性を有する安定な磁気粘性流体材料(MR流体)を製造し、磁場下で静的あるいは振動場でのクラスター構造や管内流動特性を実験的に解明し、新たなレオロジーモデルにより矩形流路内のMR流体流動解析を行った。得られた結果を要約すると、以下のようになる。 1.粒子径や粒子形状を変えたMR流体を製造し、磁場下でのMR流体薄膜中のクラスター構造を解明し、レオロジー特性や磁気機能性と関連づけて商用MR流体と比較して総合評価をした。商用MR流体中では、磁場によりクラスター長さがより増加し、隣接する小さなクラスターを引き寄せて太くなる。この構造が降伏応力や見かけ粘度の増加と深く相関する。優れたMR流体は、無磁場下では流動性があり、弱い磁場印加時でも見かけ粘度が増大する。降伏応力は、磁束密度の2乗に比例し、粘弾性的特性は、磁束密度にほぼ比例する。MR流体中での振動平板のダンパ性能は、小振幅で低振動数ほどクラスターが破壊されにくいため大きい。 2.磁場下のMR流体のずり速度0近傍の不連続性を流体的に取り扱える修正ビンガムモデルと降伏応力の磁場非等方性を考慮した構成方程式を提案し、矩形流路内のMR流体流動解析を行った。外部磁場強度を増加すると流量がほぼ直線的に減少し、圧力勾配が大きいほど流量の磁場制御範囲が広い。矩形流路で縦横比が1の場合、側壁の影響で非等方性が大きく、大きな縦横比では強固なクラスター形成により、流量が急激に減少する。 3.磁場下での矩形断面流路内のMR流体流動実験により、流れ方向の圧力分布と磁場による流量遮断特性を明らかにした。流量減少時には、半固体状のクラスター塊が形成され、磁場作用域で圧力が急減する。特に商用MR流体では、ある磁場強度で流量も急激に減少し、MRバルブの実現の可能性を示した。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 西山 秀哉: "レオロジー特性を考慮したさく矩形流路内のMR流体流動解析"平成15年度磁性流体連合講演会講演論文集. 7-8 (2003)
-
[Publications] 西山 秀哉: "MR流体のクラスター構造解析および磁気機能性の評価"平成15年度磁性流体連合講演会講演論文集. 25-26 (2003)
-
[Publications] 須藤 誠一: "交流磁場に対する磁気機能性液滴の応答特性"平成15年度磁性流体連合講演会講演論文集. 35-37 (2003)