2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15656048
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
松井 純 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (40251756)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 淳史 横浜国立大学, 教授 (90162924)
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Keywords | ゲル / 摩擦抵抗 / 微小流量 / 流量制御 / マイクロ流体 |
Research Abstract |
高分子ゲル内部を通過する流体の特性を解析するために高分子ゲルを封入した細管に溶媒を満たし、管の前後に差圧をかけて溶媒を流動させ。この時の圧力差と溶媒流量を測定し、ゲル内部における流動摩擦損失を求めた。ゲルとして感温性のNIPAゲルを用い、ゲルと細管の温度を恒温水槽によって変化させて、流量の変化を計測した。流量は重量計測または細管リメニカス移動量を顕微鏡で観察して計測した。 摩擦損失の指標になる物理量を検討した結果、ゲル内部の網目の等価直径を用いるのが妥当であるとした。この等価直径はゲルの相転移温度付近で10倍近く大きく変化しており、溶媒の流速も最大で100倍近く変化した試料があった。この変化は複数回繰り返して再現することができたが、これほどの変化を示さない試料がある等、未だ試料によるばらつきが大きく、ゲルと細管との結合方法や圧力/温度設定についてさらに検討する必要がある。また、ゲルの流れ方向厚みが薄い場合には、厚い場合とは流動挙動が変わっている可能性があり、16年度にさらに実験を行う。 また、微小流量計測の精度を向上させるため、可視化による流量測定器を試作中である。これは小さな断面積を持つマイクロ流路を顕微鏡プレパラート上に作成し、この流路に球状粒子をトレーサとして投入し、トレーサの運動を顕微鏡に接続したCCDカメラで撮影することで、流速を測定するものである。流れをマイクロ流路に絞り込むことで流速を大きくし、計測精度の向上を図っている。
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