2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15656056
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
久木田 豊 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (40291405)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 和宏 姫路工業大学, 工学研究科, 助手 (80347525)
辻 義之 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (00252255)
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Keywords | 温度境界層 / 光学測定 |
Research Abstract |
本年度追加採用となり,伝熱面加熱用電源として100A容量のもの2基,光学機器(ブレッドボード,レンズ等支持具等),データ収録系(パソコン,DACボード,ソフト等)の発注,購入を行った.来年度よりこれらを用いた実験を開始する. 既存の機材による研究として,高サブクール水中(サブクール度50〜80度)の薄膜伝熱面(厚さ20μmのステンレス箔をポリイミド樹脂系接着材により基板に固定したもの)を直流電源を用いてステップ状に直接通電加熱する実験を行い,併せて沸騰開始前に形成される温度境界層ならびに過熱液層に関する数値計算を行った.沸騰開始時の気泡高さの高速度ビデオ画像(400fps)による計測結果と数値計算による過熱液層厚さを比較したところ,本計算による沸騰開始時の代表的液膜厚さ(25μm)と実測された初生時の気泡サイズは概ね一致した.また,沸騰開始条件が,初期サブクール度によらず,壁面過熱度ならびに過熱液層厚さによって与えられることを見出した.このような知見は原子炉の想定反応度事故における蒸気ボイドによる反応度抑制効果(ボイドフィードバック効果)の予測等のために有用な知見である.この結果については日本原子力研究所の研究委員会等で報告した. さらに,レーザービームの屈折を利用して温度境界層の温度分布を逆解析により算出する方法についての予備実験を行った.手持ちの機材による実験であるため,レーザービームの径が温度境界層厚さに対して過大であり,屈折光の重心位置の変位は光線追跡法による計算結果に比べて過小となったが,少なくとも条件によってはこのような方法によって計測が可能であるという見通しが得られた.来年度より,干渉を利用した計測を試みる.
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Research Products
(1 results)