2004 Fiscal Year Annual Research Report
脳の力学シミュレータの構築と手術時の力覚・触覚呈示システムの開発
Project/Area Number |
15656065
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
内山 勝 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30125504)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近野 敦 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90250688)
佐藤 大祐 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40344692)
阿部 幸勇 東北大学, 大学院・工学研究科, 教務職員 (80261600)
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Keywords | 遠隔手術 / 仮想手術シミュレータ / 脳 / 力覚・触覚呈示 / 力学シミュレータ / バーチャルリアリティ / ロボット工学 / 生体工学 |
Research Abstract |
平成16年度は、平成15年度に構築した超粘弾性物体の力学シミュレータと、力覚・触覚提示デバイスを含めたシステムの基幹部分をさらに検討し、脳の力学シミュレータの構築、手術時の力覚・触覚提示システムの構築を目的とし、実施計画において、脳の物性解析実験およびそのデータ解析による脳の力学モデルの構築、ハプティックデバイスとバーチャルリアリティ技術を統合した仮想環境内で脳の手術操作を実現可能なヒューマンインタフェースの開発を課題とした。 まず、詳細な脳のモデル獲得するための物性解析実験を実現する試験手法の検討を行ったが、試験資料の入手困難さ、計測データ精度の不確実さなどの問題点があったため、システム構築での問題点が解決するまでは先行研究で得られた簡易モデルを採用することとした。 次に、脳の仮想手術シミュレータの構築を念頭に、バーチャルリアリティ技術を導入し、仮想空間内での手術操作の可視化およびその際の力覚・触覚のフィードバックを実現するオペレータ支援システムを構築した。ヘッドマウントディスプレイによる脳モデルの立体視、現実空間での動作と連動した仮想空間内の視点変化および腕の動作の表示が実現された。 さらに、手術操作時に手術器械と脳のモデルとの間の正確な挙動を表現するために、接触判定、変形計算、反力計算をさらに考慮し、物体間の干渉モデルを構築した。接触判定では、精度と実時間性を両立するために確率論を用いたMonte-Carlo法を採用し、複雑な多面体同士の接触状態も高速かつ精度良く取り扱うことが可能になった。また、接触時の力覚フィードバックの安定性を保つために、数値計算で求められた力情報を線形補間し、ハプティックデバイスの制御周期を2048[Hz]に高速化した。 これらによって、手術器械を通した操作感覚の提示が可能になり、本システムの基幹部分が構築された。
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Research Products
(2 results)