2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15656112
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大倉 一郎 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10127194)
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Keywords | マイクロカプセル配合塗料 / 静的載荷 / 鋼桁 / 亀裂 / 鋼板 / 炭素繊維シート / ガラス繊維シート / はく離 |
Research Abstract |
マイクロカプセル配合塗料により,静的載荷による炭素繊維シートの鋼板からのはく離および鋼桁の亀裂の伝播の検出の可能性を明らかにすることを目的として,次の研究を行った. 1.炭素繊維シートの鋼板からのはく離の検出 炭素繊維シートの鋼板からのはく離の検出の可能性を明らかにするために,厚さ9mm,幅50mmの鋼板に貼付けられた炭素繊維シートの端部にマイクロカプセル配合塗料を塗布した試験体の引張試験を行った.炭素繊維シートの積層数は2,6および10層とした.さらにガラス繊維シート1層を鋼板に貼付けた試験体の引張試験も行った.すべての積層数において,炭素繊維シートが塗料とともに鋼板から急激にはく離した.はく離した断面にはマイクロカプセルに内包されていた染料が部分的に現れた.ガラス繊維シート1層を貼付けた試験体では,シートの端部ではなくシート全体に渡ってはく離が段階的に発生した.この試験体ではシート端部に塗布した塗料の割れが見られたが,その割れから染料が漏出しなかった. 2.鋼桁に発生した亀裂の伝播の検出 マイクロカプセル配合塗料による亀裂の伝播の検出の可能性を明らかにするために,亀裂を有する鋼桁の静的載荷試験を行った.対象とした亀裂は曲げの引張り側の亀裂およびウェブと上フランジの溶接に発生する亀裂である.マイクロカプセル配合塗料を亀裂の先端近傍に塗布した.試験の結果どちらの試験体も静的載荷により亀裂が伝播しなかった.亀裂開口に伴って亀裂先端近傍に塑性変形が発生したが塗料の割れは見られなかった.
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