2005 Fiscal Year Annual Research Report
雨季乾季のある大陸大河川の河岸侵食・土砂移動機構の解明
Project/Area Number |
15656114
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
風間 基樹 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20261597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渦岡 良介 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40333306)
仙頭 紀明 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40333835)
泉 典洋 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10260530)
風間 聡 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 助教授 (50272018)
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Keywords | 水分移動 / メコン川 / 大陸河川 / 水位変化 / 河岸浸食 / 斜面崩壊 / パイピング / 間隙水 |
Research Abstract |
乾季と雨季で水位が大きく変動するモンスーン域の大陸河川の河岸侵食は水位が高水位から低水位に大きく落ち込む時期に,河岸が崩落することが知られている.本研究は、この現象のメカニズム解明のため,水位変動に応じて土の有効応力状態がどのように変化し,それが結果として河岸侵食にどのように影響しているのかを明らかにすることを目的としている. 平成16-17年の2年間,ラオスのビエンチャンにおけるメコン河河岸の地盤の水分状態,降雨量,河川水位を計測した結果を整理し,雨季乾季を通じての季節変動データから,河岸地盤の水分量と河川水位,降雨の関係を明らかにした。この結果,乾季初期の河川水位低下と背後地盤の水分変化にはタイムラグがあり,背後地盤から河岸方向への浸透流が発生する可能性が明らかとなった. 前年度に,現地河岸におけるボーリング調査時に採取した土砂を分析し,ラオスのビエンチャンの河岸地盤が比較的細粒のシルト層の上に,砂あるいは砂礫層が5mほど堆積している構造を持つこととそれら各層の力学特性を求めた。 現地地盤の強度特性・透水特性を再現した遠心模型実験を新たに3ケース実施した.前年度と同様に,実験は水位が高い状態から,急激に水位を低下させる過程での水圧変化や斜面の安定性を検討したものであるが,地盤の粒度や河川水位の低下パターンを変化させた実験を行った。その結果,河岸地盤の崩壊メカニズムには,陸側に残留した間隙水圧によってパイピングが生じて進行的に破壊するメカニズムと,急激な水位低下によってすべり外力が増加し地盤のせん断強度が限界に達して滑り破壊を生じるメカニズムの二つがあることがわかった。 これらの成果は,国内および国際会議に発表あるいは発表予定である。
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Research Products
(4 results)