2003 Fiscal Year Annual Research Report
柱を破壊させないことを旨とした鉄筋コンクリート柱脚ピン支承の開発
Project/Area Number |
15656129
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
堀田 久人 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (20190217)
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Keywords | ピン支持構造物 / 耐震性能 / 鉄筋コンクリート構造 / ピン支承柱脚 |
Research Abstract |
本研究は、機械式では現場打設の鉄筋コンクリート柱脚部のピン支承の開発を目的とし、最終的には、柱脚ピン支持の通し柱とそれにピン接合された梁からなる主架構と、層間に配した耐震要素からなる、地震時に主要構造材を決して塑性化させない新たな構造形式の提案を目指すものである。 本年度の研究実施計画は、以下のとおりであった。 1.現有の載荷装置では対応できない引張軸力下における本提案支承部のせん断力に対する抵抗能力を確認すること。 2.摩擦低減のための打ち継ぎ面の塗布剤を選定すること。 3.本提案支承部のモーメント回転角復元力モデルを作成し、地震応答解析により、本支承を組み込んだ構造物の性能評価を行なうこと。 この内、1.に関しては、今年度、研究代表者の設計による引張軸力導入装置を導入し、一般の鉄筋コンクリート部材の逆対称曲げせん断実験を通じて、本装置が、想定するスペックどおりに機能することを確認した。現在、本提案支承部を含む部材試験体を製作中であり、次年度で、引っ張り軸力下での性能確認を行なう予定である。また、計画2も次年度計画に譲る。3.については、計画どおり、本支承部を最下層の柱脚部に組み込んだ架構の耐震性能を地震応答解析により確認した。これに加えて、さらに解析的な検討として、本研究が最終目標とするピン支持の通し柱とピン支持の梁を主架構とし、制振機構を有する鉄筋コンクリート骨組に関する地震応答解析を行い、ピン支持構造物の有用性を確認した。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 中井武, 堀田久人: "水平力負担を層間せん断装置に期待したRCピン接合構造物の可能性に関する研究 -層崩壊を避けるためのせん断装置の剛性分布及び復元力特性-"日本建築学会大会学術講演梗概集. C-2. 839-840 (2003)
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[Publications] 中井武, 堀田久人: "水平力負担を層間せん断装置に期待したRCピン接合構造物の可能性に関する研究 -層崩壊を避けるための通し柱の剛性及び強度-"日本建築学会大会学術講演梗概集. C-2. 553-554 (2002)
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[Publications] 野村大悟, 堀田久人, 上田智一: "柱を破壊させないことを旨としたRC柱支承部の開発に関する研究(その4 提案支承の軸力変動に対する基本的な特性)"日本建築学会大会学術講演梗概集. C-2. 335-336 (2002)
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[Publications] 上田智一, 堀田久人, 野村大悟: "柱を破壊させないことを旨としたRC柱支承部の開発に関する研究(その3 提案支承の変動輔力下の復元力特性)"日本建築学会大会学術講演梗概集. C-2. 333-334 (2002)
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[Publications] Hisato Hotta, Hirokazu Ikebukuro, Daigo Nomura: "Development of new supporting detail for base columns which ensures superior flexibility to the columns without failure"Creative Systems in Structural and Construction Engineering. 575-580 (2001)
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[Publications] 堀田久人, 池袋寛和, 滝口克己: "柱を破壊させないことを旨としたRC支承部の開発に関する基礎実験"日本建築学会構造系論文集. 542. 163-169 (2001)
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[Publications] 池袋寛和, 堀田久人, 野村大悟: "柱を破壊させないことを旨としたRC柱支承部の開発に関する研究 -その2 復元力特性のモデル化および最下層柱脚部を提案支承部としたRC骨組の地震応答解析"日本建築学会大会学術講演梗概集. C-2. 415-416 (2001)
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[Publications] 野村大悟, 堀田久人, 池袋寛和: "柱を破壊させないことを旨としたRC柱支承部の開発に関する研究 -その1 提案支承部の定軸力下における復元力特性の把握を目的とした繰り返し曲げせん断実験"日本建築学会大会学術講演梗概集. C-2. 413-414 (2000)