2004 Fiscal Year Annual Research Report
コスト重視した建物への地震入力低減システムのための素材開発
Project/Area Number |
15656133
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
中田 愼介 高知工科大学, 工学部, 教授 (20299382)
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Keywords | 木造建物 / 液状化 / 動的応答解析 / 復元力特性 / 素材注入システム / 免震建物 / 鉄筋コンクリート建物 / 損傷度制御 |
Research Abstract |
1)木造建物の耐震性能として筋交いの抵抗要素のみを対象にして、既往の実験データをまとめて復元力特性をモデル化した。木造建物モデルの地震応答解析に必要な地震時水平力と水平変形関係モデルの復元力特性の範囲を定義するとともに繰り返し荷重下の履歴ループのモデル化を策定し、木造建物の地震時動的応答の変形量と被害度の関係を提言する事ができた。 2)実建物の木造建物の地震応答解析を行ない、応答層間変形と被災度の関係を求めた。建物に挿入される筋交い量の大小(神戸の地震で倒壊したものとしなかったもの)により応答層間変形がL3レベル地震で20cm以下と20cm以上という明快な差が示すことができた。 3)既存木造建物の耐震補強はコストが高く、150万円以上かかるために、あまり普及しない。そこで、高知市の場合、そのほとんどが液状化する地盤であることに着目し、既存地盤に液状か促進の砂を中心とした素材を既存木造住宅の基礎下面に安価に注入可能な装置を考案し、容易に地盤を液状化させて既存上部建物にこの建物が大破以上にならない地盤・木造建物練成系の動的数値解析システムを構築した。 4)今回の解析研究では地盤のモデル化、建物のモデル化ができても実建物の挙動を論じることは出来ないが、今後地盤を含めた木造建物の動的応答実験計画を進めてゆきたい。 5)木造建物とは独立に、5,7、15、30階の鉄筋コンクリート建物の耐震性について実地盤上と免震システム上に設置した場合の、地震応答解析による損傷度を解析し、地震後の損傷に対する補修コストを考慮して、免震デバイスコストが多少高くなっても、地震被災補修を考慮すると、免震建物のほうが費用対効果が高いことが判明した。しかし既存鉄筋コンクリート建物に対しては、免震化はコストに方が高いことも判明した。
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Research Products
(2 results)