2003 Fiscal Year Annual Research Report
住宅居室の総合的吸放湿特性を示す新たな評価指標の提案とその現場測定法の開発
Project/Area Number |
15656135
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉野 博 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30092373)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 兼一 秋田県立大学, システム科学技術学部, 助教授 (50293494)
松本 真一 秋田県立大学, システム科学技術学部, 教授 (70209633)
持田 灯 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00183658)
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Keywords | 吸放湿 / 室内容物 / 現場実測 / 数値指標 |
Research Abstract |
本研究は,平成15年度〜平成16年度までの継続研究である。研究目的は,建材や紙類など,これまで個々の部材レベルでしか検討されてこなかった住宅居室内に存在する様々な吸放湿物体の特性を室全体の総合的な吸放湿特性として把握する方法を開発するものである。 本年度の研究実績は,以下の通りである。 1.単室模型を用いた実験 居室における吸放湿特性の現場測定の方法に関する基礎的検討を行うために,秋田県立大学・システム科学技術学部の空調試験室内に実験チャンバーを作成した。実験チャンバーは,室容積が4.62m^3,内表面積が16.67m^2であり,室内側の内装に吸放湿性パネルを施工している。実験は,室内に室内容物を設置しない場合,室内容物として布団,Tシャツ,コピー用紙,カーペットなどを設置した場合について室内で6時間の加湿を行い,室内温湿度,'加湿量,換気量の同時モニタリングを行うことにより,室の吸放湿特性について把握するものである。本年度は,加湿量の検討と換気の影響に関する基礎的実験,書類を設置した場合の実験を行った。次年度も継続して実験チャンバーによる実験を行った後,その結果を基に実住宅を対象とした実験を行う予定である。 2.数値指標の提案と同定方法の検討 1.の単室模型を用いた実験結果より,理論的に室内湿度の応答曲線から湿度励振に対する応答式に変換する方法を検討し,吸放湿特性に関する数値モデルについて文献レビューを行った。次年度は,数値モデルを基に居室の吸放湿特性を表す数値指標(係数)を提案し,現場測定の結果から吸放湿特性を同定する方法を確立する予定である。
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