2003 Fiscal Year Annual Research Report
衣服内における熱・湿気・空気の同時移動を考慮した汗の放出過程の定量的検討
Project/Area Number |
15656136
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高田 暁 京都大学, 工学研究科, 助手 (20301244)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 和典 京都大学, 工学研究科, 助教授 (90198911)
鉾井 修一 京都大学, 工学研究科, 教授 (80111938)
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Keywords | 衣服 / 汗 / 気流解析 / レーザー / 三次元座標データ / 解析 / 非定常過程 / 人体 |
Research Abstract |
建築におけるエネルギーの有効利用および快適性向上ために、人体の生理・心理反応の過渡特性を考慮した空調制御が求められている。それに必要な体温変動予測法を構成するという観点より検討を行い、以下の結果を得た。 1.衣服内気流性状の可視化実験 静穏気流場において、被験者を用いた実験を行った。半袖シャツを一枚着用した状態で、シャツの下端よりスモークを注入し、その流れを観察した。袖・襟・ボタン周辺等の開口を通しての流出のみならず、布面を貫通する気流が観察された。衣服開口のみならず、布面の間隙からの空気流出が汗の放散過程に影響を及ぼす可能性が示された。 2.汗の乾燥過程における衣服内熱・水分・空気移動の測定 被験者実験により、汗の乾燥過程における皮膚温、着衣温、衣服内空気層の温湿度、全身での水分損失量について連続測定を行った。アンダーシャツ・カッターシャツの重ね着の状況での汗の蒸発特性を把握できた。 3.人体および着衣表面の3次元座標データ作成装置の作成とそれを用いた空気層形状測定 レーザーを用いた表面形状測定システムを用い、皮膚と衣服の間に形成される空気層寸法の測定を試みた。被験者が裸の場合と衣服を身につけた場合の両方について表面座標を求め、皮膚と着衣の間に存在する空気層の形状が数値的に求まることを確認した。 4.皮膚と着衣の間に存在する空気層における自然対流の基礎的検討 単純な人体形状モデルを用いて、自然対流が生じる場合について、室内に立つ人体まわりの気流場の数値解析を行った。衣服下空気層における空気移動量、皮膚-空気層間及び着衣-空気層間の対流熱伝達率を求め、それを「着衣-人体非定常熱水分収支モデル」に入力し、着衣と皮膚の間における空気移動が人体・着衣周辺での熱水分移動に与える影響を定量的に検討した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 中澤和弘, 鉾井修一, 高田暁: "着衣-人体間における熱・水分・空気移動解析のための基礎的検討"日本建築学会環境系論文集. 第580号. (2004)
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[Publications] 田中宏明, 鉾井修一, 高田暁: "重ね着をした人体の各部位における温熱生理量の非定常応答(その1) -着衣の水分蓄積を考慮した着衣内空気温湿度性状の検討-"日本建築学会近畿支部研究報告集(環境系). 第43号. (2004)