2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15656156
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
植松 敬三 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (00110726)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 善二 長岡技術科学大学, 工学部, 教務職員 (30143829)
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Keywords | 酸化チタン / 粒径 / 成形 / 焼結 / 磁場 / 結晶 |
Research Abstract |
前年度の研究では、強磁場により酸化チタン粒子は配向することを明らかにしたため、本年度は配向度をさらに上げる点についての検討を行うとともに、優れた焼結性も得るための検討を進めた。 粉体の粒径は焼結性に非常に大きな影響を及ぼすとともに、配向構造の形成にも大きな影響を及ぼした。粒子径サブミクロンの領域では、焼結性は高く高密度の焼結体が得られるが、粒子径の減少と共に、高い配向を得ることが急激に困難となった。検討した範囲内では、透明性を得るための緻密化と高度な結晶粒子配向を両立させることは困難であった。 原料には市販の粒子径が40nmから2μmの3種の酸化チタン粒子を用いた。スラリーを調製し、分散剤量の最適添加量を粘度測定によって求め、粉体間の相互作用が少ない条件で配向実験を行った。x線回折図形における(002)面のピーク強度を用いて計算した配向度は、粒子径2μmで0.3程度あったものが、粒子径が0.2μmのとき0.01に減少し、粒子径40nmのときは殆ど配向しなかった。原料粒子径が小さくなるとそれを阻害する因子、粒子間相互作用や熱擾乱が大きくなるためである。一方、焼結体の相対密度は、原料粒子径の大きい方から順に80%、99.3%、98.5%となった。緻密化した後者2種の透過率は0.3%程度であった。これは緻密化が達成されても配向が低いため、散乱が大きいことが原因である。このように、原料粒子径を小さくすると、配向は劣るものの高密度化は達成された。 本研究で得られた知見から、粒度配合などの検討を行うことによって今後緻密化と配向の両立化が行なえるものと考えられる。具体的には、粒子径0.5から1.0μmの粒子をテンプレートとし、その他は微粒子として、焼結時の緻密化の役割を果たす。微粒子は配向には寄与できないが、焼結時にテンプレート粒子中に組み込まれることが可能である。
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Research Products
(6 results)