2004 Fiscal Year Annual Research Report
超音波原子間力顕微鏡のナノスケール非破壊内部計測を用いた薄膜製造プロセス支援
Project/Area Number |
15656179
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山中 一司 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00292227)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三原 毅 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20174112)
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Keywords | センサ / アクチュエータ / アクチュエータ、弾性表面波素子 / ZnO / PZT / 圧電 |
Research Abstract |
センサ、アクチュエータ、弾性表面波素子に用いられるZnOやPZT圧電・強誘電薄膜において、薄膜製造プロセス条件(電極材質、真空度、成膜速度、イオン化効率など)が膜物性(結晶配向、粒界の結合度、圧電係数、超音波減衰)と欠陥(き裂、気孔、はく離)に及ぼす影響は大きく、この把握がプロセス確立に不可欠である。そこで、超音波原子間力顕微鏡を発展させた(1)超音波誘起電流計測、(2)柱状組織結合度評価、(3)圧電係数計測における弾性変形効果の補正、(4)50MMHz以上の高周波圧電特性計測などの手法を試行し、ナノスケールの空間分解能で3次元的に観察・評価し、製造プロセス条件の最適化の指針を得て、薄膜製造を支援する技術の方法論の確立を目的とする。 1.柱状組織結合度の評価 水素ガスセンサとして使用される厚さ40nmのPd超薄膜の特性には粒界の結合度が影響するが、水素の影響は解明されていない。そこで、水素雰囲気下で超音波原子間力顕微鏡により弾性特性を計測して、Pd膜の柱状組織の粒界における結合度を評価し、膜の劣化機構解明をはかった。 その結果、3%水素を含む窒素の導入により、隆起が見られ、凝着力も増加することを見出した。 2.圧電係数計測における誤差の補正 圧電結晶上に形成した微小電極対により誘起したナノスケール分極反転部を、超音波原子間力顕微鏡および圧電応答顕微鏡で観察評価し、圧電係数測定における電界方向不均一性の低減をはかった。その結果、分極反転と弾性率の変化が画像とともに得られた。 3.総合評価 上記の研究で得られた評価法と知見を総合して、ナノスケールの空間分解能で3次元的に観察・評価する超音波原子間力顕微鏡を用いた薄膜製造支援技術の方法論を整理した。 以上により、本研究は目標を達成できた。
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Research Products
(3 results)