2003 Fiscal Year Annual Research Report
二液相界面電析法による金属超薄膜の製造とその成長機構の解明
Project/Area Number |
15656180
|
Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
金児 紘征 秋田大学, 工学資源学部, 教授 (20006688)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多田 英司 秋田大学, 工学資源学部, 助手 (40302260)
|
Keywords | 二液相界面電析法 / 光学的可視化 / シャドウグラフ法 / レーザー干渉法 / マッハツェンダー干渉計 / シュリーレン干渉計 / マランゴニ対流 / 界面張力 |
Research Abstract |
本年度は,二液相界面における金属薄膜の優先成長機構を検討するために,シャドウグラフ法による界面近傍の溶液流の光学的可視化,および溶液流を定量的に評価するためのレーザー干渉光学的可視化装置の設計と製作を行った. 二液相界面電析法では電解質溶液とそれとは混じらない有機液体の液液界面(二液相界面)を反応場として電析するが,なぜ薄膜が二液相界面に優先成長するかと,いうことが明らかにされていなかった.界面方向に優先成長するためには,その成長先端に優先的に反応物質が供給されなければならない.そこで,実際に二液相界面電析法で金属薄膜が成長するとき,反応物質がどのように成長先端に供給されるかを溶液流を観察することにより行った.銅薄膜で実験を行う前に,これまでの研究から製膜条件がかなり明らかになっている亜鉛薄膜で実験を行った.その結果,酢酸ブチル/硫酸亜鉛水溶液の界面において,亜鉛薄膜の成長先端に向かってマランゴニ対流と考えられる特異な溶液流が観察された.また,電位の印加によってその対流が高速になることがわかった.すなわち薄膜の界面成長先端に対して高速に高濃度の溶液が供給され、それによって正帰還的に薄膜が界面成長すること,電圧の増加にともなって成長先端により高速に反応物質が供給されるために,薄膜の成長速度が速くなることを明らかにした. しかし,これまでに行ったシャドウグラフ法では溶液流の発生原因となる界面近傍の濃度変化,密度変化などを定性的に解析するのみで,定量的な評価をすることができなかった.そこで,これらを定量的に評価するために,レーザー干渉法による光学的可視化を行うための装置を設計,製作した.具体的には,シュリーレン法およびマッハツェンダー干渉計を二液相界面電析法に適用できるように装置製作を行った.現在光学系の調整中であり,次年度から界面近傍の溶液流の定量的可視化に適用する.
|