2004 Fiscal Year Annual Research Report
IPナノコーティングによるメゾポーラ組織TBC皮膜の創製
Project/Area Number |
15656181
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
鈴木 秀人 茨城大学, 工学部, 教授 (30090369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原口 忠男 茨城大学, 工学部, 助教授 (00091728)
西野 創一郎 茨城大学, 理工学研究科, 講師 (00272112)
中村 雅史 茨城大学, 工学部, 助手 (60302329)
中森 秀樹 ナノテック(株), 代表取締役社長
久芳 俊一 (株)日立製作所, 電力・電機グループ・火力・水力事業部, 主任技師
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Keywords | イオンプレーティング / ナノコーティング / ガスタービン / TBC / 金属間化合物 / プラズマ溶射法 |
Research Abstract |
国の内外で地球環境問題からガスタービンの高温化は極めて大きな社会的要請であり、そのため本研究で実施するTBC用皮膜の耐熱性向上は重要な工学的課題として盛んに研究されている。 本研究は、イオンプレーティングIPを用いたナノスコピック構造制御によりTBC(Thermal Barrier Coating)遮熱用皮膜の創製して、TBC皮膜の遮熱性・厚膜化を飛躍的に改善する。現在TBC皮膜の製作は、厚膜化が困難のためIPナノコーティングでは実施されていない。本研究では、IPナノコーティングによる厚膜化に焦点を合わせ、メゾスコピックなポーラ状TBC皮膜を創製し、皮膜多孔質化により厚膜化・高遮蔽性が同時に実現する。 TBC(Thermal Barrier Coating)皮膜の遮熱性を飛躍的に改善させるために、イオンプレーティングIPを用いたナノスコピックな構造制御によって、高湿拡散に安定なメゾポーラ組織をもつ部分安定化ジルコニアZrO2/YO2トップコートを創製する。特に、プラズマ溶射法により作成するTBC皮膜に相当する超厚膜の創製に研究の焦点を合わせた。 その結果、研究発表論文に詳細に報告したように、下記の著しい成果を得た。 (1)ガスタービン用TBCとして重要な熱伝達率はメゾポーラ組織によって改善され、孔径が小さければ強度低下を起こさない。 (2)疲労強度に関して表面改質皮膜の厚さには最適膜厚があり、適切な皮膜設計が不可欠である。 さらに、TBC皮膜の射熱性劣化の最大原因である高温拡散による皮膜のポーラ充填化は、IPナノコーティングによる高機能化ナノ構造よって抑制でき、その結果ガスタービンの飛躍的な高温化が期待できる。
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Research Products
(4 results)