2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15656189
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森田 一樹 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (00210170)
|
Keywords | 高炉スラグ / マイクロ波プロセッシング / 結晶化 / 誘電損失 / 廃棄物処理 |
Research Abstract |
高炉水砕スラグの種々の物性やファイバー状スラグ生成現象について関連を明らかにするとともに、マイクロ波照射によるガラスの結晶化挙動の基礎調査を行った。 まず、高炉水砕スラグについて、組成、結晶化率を調べた。約1500℃に制御したMoSi_2炉を用いて20gの実高炉スラグおよび模擬スラグを白金るつぼ中で2時間溶融後、(1)水中急冷、(2)アルミニウム板上への急冷、(3)種々の温度に制御されたグラファイト鋳型中への鋳込み、(4)温度制御を伴った炉冷、を行った。冷却方法(冷却速度)により、結晶化度は大きく異なり、実際のスラグは模擬スラグ(40CaO・40SiO_2・20Al_2O_3)に較べて遥かに結晶化し易いことが解った。ほぼ100%ガラス化している水砕スラグ組織の光学顕微鏡、EPMAによる観察から、スラグの人工砂利用で問題とされているファーバー状の結晶が見出され、その中心部ではCaが濃化していることが判明した。 次に、実高炉スラグおよび同模擬スラグを種々の条件でマイクロ波照射を行い、結晶化に対する影響を調査した。マイクロ波照射は2.45GHz、1.6kWのマイクロ波炉を用いて行い、試料温度計測には現有の二色光温計を用いた。いずれのスラグも、低温での誘電損失値が小さいため単独で加熱することが出来ず、SiCを試料下部に配置してハイブリッド加熱で行った。この結果、双方のスラグとも数分間900〜1100℃に保持することが可能となり、結晶化が確認された。しかし、同一条件で外熱式により加熱結晶化を試みたものに較べて、マイクロ波加熱による試料の結晶化率は小さい値を示した。本条件下ではマイクロ波による結晶化促進はみられず、むしろマイクロ波による急速な加熱のため核生成温度域を通過する時間が非常に短く、結晶化率が低下したものと考えられる。今後は初期生成核や周波数の影響について検討する方針である。
|
Research Products
(1 results)