2003 Fiscal Year Annual Research Report
再生PET樹脂を利用した自己破砕性スマートコンクリートの開発
Project/Area Number |
15656231
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
日下 貴之 立命館大学, 理工学部, 助教授 (10309099)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 宣章 立命館大学, 理工学部, 教授 (50154753)
坂根 政男 立命館大学, 理工学部, 教授 (20111130)
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Keywords | コンクリート / リサイクル / スマート / 環境 / マイクロ波 / PET |
Research Abstract |
本研究で提案する自己破砕性スマートコンクリートは,コンクリート中に再生PET樹脂の小片を骨材の一部として混入した上,外部からの加熱によって生じる熱応力を駆動力としてコンクリート中にき裂を発生・成長させることを狙ったものである.今年度は,加熱方法としてマイクロ波照射を利用し,コンクリートを破砕することを試みた.また,PET樹脂単体ではマイクロ波吸収特性が著しく小さいことを考慮して,PET樹脂中に炭素繊維を混入しマイクロ波吸収特性を向上させることを試みた.さらに,有限要素法による数値解析を用いて,加熱によってコンクリート中に発生する熱応力を評価し,提案する材料系の破砕性能を定量的に評価することを試みた.数値解析結果から,PET樹脂の体積含有率を2%程度とした場合には,約100℃の昇温によって破砕が可能であることが明らかになった.また,PET樹脂の含有率を0〜20%と変化させた供試体についてマイクロ波照射を行ったところ,数値解析による予測結果とほぼ同様の温度でコンクリート表面に多数のき裂が発生することが明らかになった.しかし,現時点では,マイクロ波照射による加熱が供試体表面近傍に限定されるために,コンクリート内部に十分なき裂を発生させるには至っていない.今後,マイクロ波照射装置の改造,別の加熱方法の導入などによって,十分な破壊特性を実現することを試みる.また,PET樹脂の混入によって,材料の強度特性が悪化することも懸念されるが,この点に関しても今後検討を進める予定である.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Horikawa, N., Kusaka, T., Namiki, H., Urabe, K., Tada, Y., Takeno, H., Takagi, N., Sakane, M., Hojo, M.: "Fracture Behavior of the Life-Controllable Smart Concrete Using the Recycled PET Resin"Proceedings of the International Conference on Advanced Technology in Experimental Mechanics 2003. GSW0315. 1-6 (2003)
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[Publications] 赤松弘允, 西博行, 日下貴之, 並木宏徳, 卜部啓, 多田幸生: "再生PET樹脂を利用した寿命制御スマートコンクリートの開発"第33回FRPシンポジウム講演論文集. 120-121 (2004)