2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15656240
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
神野 郁夫 京都大学, 工学研究科, 助教授 (50234167)
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Keywords | C60 / 薄膜 / 絶縁膜 / クローンブロッケイド |
Research Abstract |
C60含有薄膜を製作する前に,これまでに行ってきた貴金属薄膜上へC60を蒸着しながら貴金属膜の抵抗値の測定を銀膜について行った.クオーツガラスの上に抵抗値測定用の四本の金電極を作成しておき,この上に,様々の厚さを持つ銀膜を製膜する.つぎに,抵抗値をモニタしながら,C60を銀膜の上に蒸着し,C60の厚さと抵抗値の関係を求める.これまでに行ってきた金膜,銅膜の上にC60を蒸着した場合と比較すると,貴金属の仕事関数だけからでは説明できないことがわかった.次に,貴金属膜のX線回折を行い,貴金属の結晶性を観測した.金の結晶性が最も良く,次に銀であり,銅の結晶性が一番悪いことが分かった.この結果から,貴金属上のC60の結晶性は,下地である貴金属の結晶性に依存すると結論できた. C60含有薄膜を製作するに当たって,当初は,真空チェンバ内部の二つの蒸着源からSiO2とC60とを同時に蒸発させ,上方においた基板上に製膜する予定であった.しかし,この方法では,SiO2膜の中にC60が均一に混合できるか,不明なところがあった.この状況において,液体状のガラスが手に入り,この液体ガラスにC60を直接混ぜ込むこととし,まず液体ガラスの性質を調べた.現在は,この液体ガラスをスピンコーターを用いて薄膜にする方法を試しているところである.スピンコーターの回転数,回転時間と膜厚の関係を求めている.また,製作した薄膜に含まれるC60の量を測定するため,TEMの使用を考え,その試料作成法を試みている.
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Research Products
(1 results)