2004 Fiscal Year Annual Research Report
光トラップによる溶液中のマイクロ放射線源の空間制御
Project/Area Number |
15656241
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
飯田 敏行 大阪大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (60115988)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 文信 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40332746)
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Keywords | 光ピンセット / 光学顕微鏡観測 / マイクロ波放射線源 |
Research Abstract |
本研究の目的は、光ピンセットを利用したマイクロサイズ領域の放射線源の制御、放射線照射、分析を行うための要素技術を開発することである。応用として、放射線トレーサーが投与された試料(例えば生体組織)を工学顕微鏡で観察し、レーザー切断と光ピンセットで特定の部分を抽出してその放射能測定を行う。また、単一の微粒子や細胞にX線を照射して、元素分析、その経過を観測することができる。などがあげられる。光ピンセットと放射線利用技術を組み合わせることによって、マイクロサイズ領域での新しい放射線利用が期待される。 試作した光ピンセットを利用した放射能分析システムでは、対物レンズを用いてレーザー光を水溶液中の微粒子に集光させて、光トラップされた粒子の放射能をγ線検出器で測定する。半導体励起のCW-YAGレーザーのレーザー光を倒立型光学顕微鏡に導入し、水浸対物レンズで微粒子に集光して捕獲する。試料からγ線測定には、タングステン板に80μmの孔が加工されたコリメータを製作した。コリメータの材質と厚さはγ線輸送計算コードを用いて設計し、エネルギー150keV程度までのγ線に対して、十分な分解能を持つことを標準γ線源とイメージングプレートを用いて確認した。γ線の検出はCdTe検出器と多重波高分析装置で測定する。 本実験装置では、放射性核種^99mTcや^123IをRIトレーサーに利用することを想定し、安定同位体のヨウ素化合物が添加されたマイクロビーズを調整して予備実験をおこなった。光学顕微鏡で観察される試料面上の実視野は130μm×100μm程度で、光ピンセットによって、特定のマイクロビーズを抽出し、その微粒子に対して高効率でγ線が検出される見通しを得た。
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Research Products
(3 results)