2004 Fiscal Year Annual Research Report
ランダムリボザイムライブラリーを用いた新規セントロメアタンパク質の同定
Project/Area Number |
15657002
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
深川 竜郎 国立遺伝学研究所, 分子遺伝研究系, 助教授 (60321600)
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Keywords | セントロメア / ランダムリボザイムライブラリー / プロテオミクス / バイオインフォティクス / 染色体分配 / チェックポイント / キネトコア / ゲノム情報 |
Research Abstract |
生物が生命を維持するためには、ゲノム情報を包括する構造体である染色体が安定に保持・増殖されなければならない。我々は、染色体が安定に保持されるための分子機構として染色体分配機構に注目して研究を行っている。細胞周期のS期で複製された染色体は、M期では両極から伸びた紡錘体に捕らえられ、娘細胞へと分配される。この際、紡錘体が結合する染色体の特殊領域はセントロメアと呼ばれ、その領域に存在するDNAと複数のタンパク質から構成される。現在までに、高等動物のセントロメアを構成するタンパク質は十数個知られているが、それがすべてのセントロメア構成タンパク質とは思われていない。我々はランダムリボザイムライブラリーや、プロテオミクス、新規バイオインフォティクスなどのユニークな手法を用いて新規セントロメアタンパク質の同定を試みた。1)ランダムリボザイムライブラリーを用いた手法は、リボザイムの作成方法などに問題があり、この方法で新規タンパク質の同定を行うことはできなかった。2)プロテオミクスの手法を用いて複数の新規タンパク質が同定できた。具体的な実験としては、セントロメア構成タンパク質であるCENP-HおよびCENP-Iの発現をタグ付き融合タンパク質の発現に置換した細胞株を樹立して抗タグ抗体を用いた免疫沈降実験を行った。その結果、CENP-HとCENP-Iと結合する5種類のタンパク質を同定した。いずれも、セントロメアに局在することが知られていなかったタンパク質であった。それぞれのタンパク質をGFP融合タンパク質としてニワトリ細胞内で発現させた結果、いずれも構成的セントロメアタンパク質であると結論できた。3)新規バイオインフォティクスの手法では、候補遺伝子の絞り込みが完了した。現在実験的に局在を解析しているが、期待に反してセントロメアへ局在するタンパク質はこの方法から得られていない。各種方法を試した結果、現時点ではプロテオミクスを駆使した方法が最も効率的であると考えられた。
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Research Products
(8 results)