2003 Fiscal Year Annual Research Report
正と負の制御系によるGA3-酸化酵素遺伝子の発現調節機構の解析
Project/Area Number |
15657012
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
高橋 陽介 広島大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90183855)
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Keywords | ジベレリン / 転写調節因子 / フィードバック制御 / one-hybrid法 |
Research Abstract |
ジベレリン(GA)は発芽、茎伸長、花芽形成など植物の生活環の様々な局面を調節している植物ホルモンである。GA内生量が変化すると植物はネガティブフィードバック制御を発動させGA内生量を維持しようとする。我々はシロイヌナズナの主要なGA3-酸化酵素遺伝子AtGA3ox1のプロモーターにはGAに対して負に応答するシス因子だけでなく、GAに対して正に応答するシス因子も同時に存在することを見出した。 本研究ではAtGA3ox1のGAに対する正と負の応答を司る転写因子を同定し、GAによるGA生合成酵素遺伝子の転写調節の分子機構を明らかにすることを目的とする。そして正と負の転写制御系がそれぞれ植物の生活環のどこで機能しているかを調べ、GA生合成の鍵酵素遺伝子AtGA3ox1がGAに対して一見相反する二つの転写制御系を持つ生理的意義を明らかにすることを目的とする。 AtGA3ox1のGAに関する負のシス因子は、GA内生量が低下すると転写を活性化させ、GA量が増加すると転写を抑制することで、フィードバック制御において中心的な役割を果たしている。シロイヌナズナ形質転換体を用いてAtGA3ox1プロモーターの5'欠失変異体とgain-of-functionの解析から、GAに関する負のシス領域を同定した。このシス因子に特異的に結合する転写因子のcDNAを酵母を用いたone-hybrid法によりクローン化した。構造を決定したところ、このcDNAはATフックモチーフを有するタンパク質をコードしていた。ATフックモチーフはHMGグループに保存された構造である。HMGは動物のホメオボックス型転写因子、NFκB型転写因子等の転写因子と相互作用し標的遺伝子の転写を促進的あるいは阻害的に調節することが知られており、GAフィードバック制御における役割に興味が持たれる。
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Research Products
(1 results)