2004 Fiscal Year Annual Research Report
正と負の制御系によるGA3-酸化酵素遺伝子の発現調節機構の解析
Project/Area Number |
15657012
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
高橋 陽介 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90183855)
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Keywords | ジベレリン / 転写調節因子 / フィードバック制御 / two-hybrid法 |
Research Abstract |
ジベレリン(GA)は発芽、茎伸長、花芽形成など植物の生活環の様々な局面を調節している植物ホルモンである。GA内生量が変化すると植物はネガティブフィードバック制御を発動させGA内生量を維持しようとする。我々はシロイヌナズナの主要なGA3-酸化酵素遺伝子MM3ox1のプロモーターにはGAに対して負に応答するシス因子だけでなく、GAに対して正に応答するシス因子も存在することを見出した。本研究ではAtGA3ox1のGAに対する正と負の応答を司る転写因子を同定し、GAによるGA生合成酵素遺伝子の転写調節の分子機構を明らかにすることを目的とした。 前年度までの解析からAtGA3oxlがプロモーター内のGAに関する負のシス因子に結合する転写因子としてATフックモチーフを有するタンパク質を見出した。ATフックモチーフはHMGグループに保存された構造である。HMGは動物のホメオボックス型転写因子、NFκB型転写因子等の転写因子と相互作用し標的遺伝子の転写を促進的あるいは阻害的に調節することが知られている。今年度はゲルシフト法によりATフックタンパク質の標的DNA配列を決定した。ATフックタンパク質が植物体内で実際にネガティブフィードバック制御に関与しているかを明らかにするために、点突然変異を、AtGA3ox1プロモーターに導入しATフックタンパク質と結合できない変異型AtGA3ox1プロモーターを作製した。この変異型とプロモーターとGUSの融合遺伝子をシロイヌナズナ形質転換体で発現させた。するとATフックタンパク質との結合能力を失った変異型AtGA3oxlがプロモーターではGAフィードバック応答が消失したので、ATフックタンパク質が植物体におけるフィードバック制御に関与していることが示された。
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Research Products
(3 results)