2003 Fiscal Year Annual Research Report
膜タンパク質二次元結晶の電気的特性とその成長過程の長時間追跡法の開発
Project/Area Number |
15657033
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Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
老木 成稔 福井大学, 医学部, 教授 (10185176)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 啓史 福井大学, 医学部, 助手 (50324158)
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Keywords | cut-open法 / 温度コントロール / 巨大パッチ法 / 卵母細胞発現系 / 細胞内潅流 |
Research Abstract |
この実験では温度コントロールが重要であるので、効率よく安定な装置の作成を試みた。温度の設定は潅流液を細胞のごく近傍まで発熱体(ペルチエ素子)を設置することによって有効な温度変化を可能とすることができた。さらにこの方法では流路をピエゾ素子によってシフトし、短時間で温度ジャンプが可能となった。このとき実際に細胞が置かれている温度(局所温度)をモニターするために13μmの微細熱電対を加工し、細胞のごく近傍に設置することができた。これと平行して温度変化の時間経過を評価するために液間電位を測定し、数ミリ秒以内に温度変化していることを確認した。また、熱電対の応答時間(時定数)が70ミリ秒であることを明らかにした。Cut-open法はより使いやすくするために装置を工夫しつつある。特に細胞内潅流のためのマニピュレータを設置することにより作業効率が格段に改善した。細胞内液の潅流が数分で可能である。さらに現在、細胞内潅流について別の方法を試みつつある。それは巨大パッチ法の一種で、卵母細胞の細胞膜を破って緩やかに細胞内潅流しつつある状態で、比較的大きな電極(先端径約10μm)でパッチクランプするという方法である。大量に蛋白を発現させるので巨視的電流を測定することが可能でしかもcut-open法よりさらに速い溶液置換が可能となる。この方法はさまざまな利点と広い適用範囲があるのでできるだけ早い時期に確立したい。現在、prestinの遺伝子発現を試みている。一方、Prestin電流のキネティクスについてトランスポータ活性との関連を考慮しモデルを構築しつつある。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Shimizu, H., Toyoshima, C.Oiki, S.: "Interaction between Tetraethylammonium and Permeant Cations at the Inactivation Gate of the HERG Potassium Channel"Jpn.J.Physion. 53. 25-34 (2003)
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[Publications] Berthomieu, P., Nublat, A., Brackenbury, W.J., Lambert, C., Savio, C., Uozumi, N., Oiki, S.: "Functional analysis of AtHKT1 in Arabidopsis shows that Na^+ recirculation by the phloem is crucial for salt tolerance."EMBO J. 22. 2004-2014 (2003)
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[Publications] Futaki, S., Zhang, Y., Kiwada, T., Yagami, T., Oiki, S., Sugiura, Y.: "Gramicidin-based Channel Systems for the Detection of Protein-ligand Interaction."Bioorg.Med.Chem.. 12. 1343-1350 (2004)