2004 Fiscal Year Annual Research Report
膜タンパク質二次元結晶の電気的特性とその成長過程の長時間追跡法の開発
Project/Area Number |
15657033
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
老木 成稔 福井大学, 医学部, 教授 (10185176)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 啓史 福井大学, 医学部, 助手 (50324158)
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Keywords | KcsAチャネル / システイン変異 / SPR / 2次元結晶 / 脂質平面膜法 |
Research Abstract |
膜タンパク質KcsAチャネルの基板への配向固定を目指し、システイン残基導入変異体を多数(20数種類)作成した。KcsAチャネルは立体構造が既知だがそれは膜寛通部位に限られており、大きな細胞内ドメインの構造は明らかではない。そこで導入したシステイン残基が表面に露出し、しかも基板固定に寄与できるかということを明らかにするために新しい方法を開発した。システィン残基の金との反応性を利用し、SPR(表面プラズモン共鳴)法により結合の有無や結合様式を検討した結果、表面露出残基のパターンが明らかになり、立体構造に関する情報が得られた。金表面への反応性のもっとも高い変異体を使い、ガラス基板の上への配向性結合を行った。数時間以上の反応時間で反応が進行することが明らかになった。これを原子間力顕微鏡で観察すると、配向蛋白が均一な高さ分布を示し島状となった。ただし全表面を均一に被うことはできなかった。さらに結合したタンパクの他方から金結晶で標識し、X線による回折点からその運動性を捉えることができた。KcsAチャネル分子の全長での結晶化を目指し、2次元結晶の作成を行った。様々な結晶化条件をさぐる試行錯誤ののち、電子顕微鏡で結晶化を確認することができた。さらなる結晶成長を起こすための条件を検討する必要がある。この標品を気液界面に展開し、脂質平面膜法の一種であるtip-dip法で電流記録を試みたが、高密度であるため測定が極めて困難であった。一方、KcsAチャネルを脂質平面膜に大量再構成するために、電気的記録を行いつつ再構成を行った。この方法ではすべての再構成チャネルが同一のオリエンテーションで挿入されることが明らかになった。高密度再構成に向けて様々な条件での実験を進行中である。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Gramicidin-based Channel Systems for the Detection of Protein-ligand Interaction.2004
Author(s)
Futaki, S., Zhang, Y, Kiwada, T., Yagami, T., Oiki, S., Sugiura, Y.
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Journal Title
Bioorg.Med.Chem. 12
Pages: 1343-1350
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