2004 Fiscal Year Annual Research Report
新規ロドプシンの特性を利用したG蛋白質共役受容体の活性化状態の変異体解析
Project/Area Number |
15657034
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
寺北 明久 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30212062)
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Keywords | ロドプシン / G蛋白質共役型受容体 / G蛋白質 / レチナール |
Research Abstract |
前年度の研究において、新規ロドプシンにおいては、Trp265は不活性状態と活性化状態においてレチナールと相互作用し、Ala269は、活性化状態では、レチナールとの距離が近づき相互作用が強まると考えちれた。この2つの残基は共に、ウシロドプシン結晶構造中でヘリックス6に存在し、αヘリックス1巻き分しか位置が異ならないので、G蛋白質活性化メカニズムを考える上で興味深い。今年度はTrp265やAla269は、レチナールのβイオノン部分と相互作用していると考えられるので、以下の2つの研究を実施した。 1.新規ロドプシンにおいて、アゴニストである全トランス型レチナールと相互作用するアミノ酸残基の全貌を明らかにするために、ウシロドプシンにおいて、レチナールのポリエン鎖から<4.5Åに存在するアミノ酸残基に対応する新規ロドプシンのアミノ酸残基に変異を網羅的に導入した。具体的には、Y113A,G114L,G114A,L117A,T186A,C187A,S188A,L189A,W191A,W191L各変異体の発現用コンストラクトを作製し、発現を確認した。 2.Trp269やAla269はアゴニストである全トランス型レチナールと相互作用しているので、この位置の変異が11シス型レチナールと全トランス型レチナールへの親和性を変化させるのかを分光学的に測定した。その結果、Trp265に変異を導入すると側鎖の体積が小さいほど全トランス型レチナールへの親和性が増大し、Ala269の場合は、側鎖が大きくなるほど全トランス型レチナールへの親和性が低下した。また、これらの変異体のG蛋白質活性化能を詳細に検討した結果、Trp265の変異は、アゴニストとの相互作用が低下し、G蛋白質の活性化能が低下するのに対し、Ala269の変異は、全トランス型レチナールの構造が歪められるためにG蛋白質活性化が低下した可能性が考えられた。
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Research Products
(4 results)