2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15657048
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
高橋 考太 久留米大学, 分子生命科学研究所, 教授 (40303804)
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Keywords | ネオセントロメア / 分裂酵母 / ゲノム改変 / 薬剤耐性マーカー遺伝子 / 復帰変異株 |
Research Abstract |
これまでは偶発的な出現しか報告されていなかったネオセントロメア獲得細胞株を、実験操作による人為的誘導によって取得しその包括的解析を可能にするために本研究で当初目標とした、染色体セントロメア領域の特異的な破壊を条件的に誘導する分裂酵母モデル系の構築を達成した。まず、ORF中に部位特異的組み換え酵素の標的配列が挿入されながらもG418薬剤耐性を付与する分裂酵母マーカー遺伝子の作成に成功し、その発現条件の検討を十分に行なった。その上で、第一染色体セントロメア領域の両端にその改変マーカー遺伝子を組み換え酵素標的配列部分が重複するように2つに分断して挿入した。さらに両挿入部位のセントロメア内側にはura4^+遺伝子も挿入した。この細胞に組み換え酵素を発現させるとセントロメア領域の染色体からの切除が発生し、分断マーカー遺伝子の再縫合によってG418耐性が付与される。セントロメア欠失は基本的に細胞致死となるが、そこからの低頻度な復帰生存株の出現は大スケール細胞からの厳密なG418選択によって感知可能となる。さらにura4^+遺伝子産物によって毒性化される5-FOA薬剤を培地に添加することで、セントロメア由来環状DNAの第一染色体への再挿入による生存株の排除が行なえるように設定した。 この分裂酵母アッセイ株を用いてネオセントロメア獲得株のスクリーンを行ない、有意義な好結果が産出されている。2x10^<10>細胞に対してセントロメア破壊を誘導しG418選択をかけた結果、サイズの異なる約10000コロニーのG418耐性株が得られた。ここでのセントロメア破壊の復帰頻度は5x10^<-7>と算出されるが、スクリーン条件を考慮すると過大評価の可能性もある。現在個々の復帰細胞の解析を進めており、まずはネオセントロメアの獲得について確認している。また、それらの染色体レベルでの変化を低頻度制限酵素処理とPFG電気泳動解析などで解析している。
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Research Products
(5 results)