2003 Fiscal Year Annual Research Report
キメラオリゴヌクレオチドを用いたイネにおける遺伝子ターゲッティング法の開発
Project/Area Number |
15658001
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鳥山 欽哉 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (20183882)
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Keywords | キメラオリゴヌクレオチド / 遺伝子ターゲッティング / イネ / アセト乳酸合成酵素 / 一塩基置換 / 除草剤耐性 |
Research Abstract |
キメラRNA/DNAオリゴヌクレオチドは、RNAとDNAからなる合成オリゴヌクレオチドであり、ゲノム中の標的遺伝子を部位特異的に1塩基置換する方法が哺乳類において開発されている。本研究では、キメラRNA/DNAオリゴヌクレオチドを用いた遺伝子ターゲッティング法をイネにおいて確立することを目的とした。 標的遺伝子としてアセト乳酸合成酵素(ALS)を用いた。ALSの特定部位に1アミノ酸塩基を起こした植物はスルフォニルウレア系除草剤に耐性を示す。除草剤耐性となるように塩基置換を設計したキメラRNA/DNAオリゴヌクレオチド(Ch-P171A,Ch-W548L,Ch-S627I)を、パーティクルガンを用いてイネカルスに導入して除草剤を用いて選抜した。胚盤由来カルス20シャーレへCh-W548LとCh-S627Iを導入した結果、得られた除草剤耐性のイネ3系統のALSにW548L置換をもたらす1塩基置換が起きていた。培養変異によると考えられる塩基置換も同頻度で得られた。コケなどの半数性植物では相同組換えが起こりやすいことが知られているので、葯培養由来のカルスも材料とした。葯培養由来カルス8シャーレへオリゴヌクレオチドを導入した結果、得られたW548L置換カルスの頻度は1個/シャーレとなり、Ch-W548Lを導入しない場合の3倍となった。また、Ch-P171Aを4シャーレに導入したところ、狙った通りの塩基置換を起こした植物体が1個体得られた。このような植物はCh-P171Aを導入しないカルスからは得られなかった。以上の結果から、キメラRNA/DNAオリゴヌクレオチドを用いて標的塩基に1塩基置換を起こすことがイネにおいて可能であることを明らかにした。
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Research Products
(1 results)