2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15658022
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Research Institution | Hiroshima Prefectural University |
Principal Investigator |
増田 泰三 広島県立大学, 生物資源学部, 助教授 (30347611)
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Keywords | カキ殻 / 根伸長 / ホウ素 / ホウレンソウ |
Research Abstract |
カキ殻の無機成分とホウレンソウの根伸長や生育促進および品質関連成分を検討した。 1.無機成分:粉砕カキ殻と肥料用石灰の炭酸カルシウム(炭カル)の含有率は、各成分をカキ殻と炭カルの順に示すと、単位はg/kgでカルシウム(Ca)344と382、窒素(N)2.7とND(検出されず)、リン(P)1.05と0.09、カリウム(K)1.02と0.08、マグネシウム3、45と1.81、単位は以下mg/kgで鉄390と200、マンガン178と56、亜鉛85と5、銅17と7、ホウ素(B)355と3、モリブデン2.6とNDであった。Ca以外の成分はカキ殻が高く微量要素、特にBが高かった。 2.根箱実験:根の伸長土壌領域を2つに分けた根箱を多く作製し、一方を炭カルで、もう一方をカキ殻、カニ殻、貝殻等の石灰質資材で中和し、ホウレンソウを栽培したが、温度制御ができないガラス室内で、初夏と秋の外気温が異常に高かったためと考えられるが、高温で生育不十分であったので、時期等を考慮して再度行う。 3.ポット栽培でのカキ殻施用によるホウレンソウの品質関連成分:1/5000aポットと真砂土を用い、炭カルとカキ殻で土壌を中和し、化学肥料(化肥)と有機質肥料(有機)でN、P、Kを等量施肥した。石灰質資材と肥料を組み合わせた4処理を3反復で設け、3個体/ポットで栽培した。生育はカキ殻・化肥>炭カル・化肥≒カキ殻・有機>炭カル・有機の順に大きく、無機成分吸収量も生育と同様の順で大きかった。品質関連成分の糖度は差が無く、アスコルビン酸含有率は化肥施用で高かったが、カキ殻施用で硝酸態窒素とシュウ酸含有率が低下した。 4.水耕栽培:培地B濃度を変えて(0〜20mg/L、7段階)水耕栽培を行い、B栄養に対するホウレンソウとイネの吸収と生育および培地適正濃度域等を明らかにした。また、無B培地で生育した植物にB添加を行い、ホウレンソウのB生長利用効率(g乾物/mgB)は19.9と大きく、イネは1.3と小さいことを明らかにした。
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Research Products
(1 results)