2003 Fiscal Year Annual Research Report
細胞の膜系構築機構の解明のための試験管内膜合成反応系の創成
Project/Area Number |
15658031
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
太田 明徳 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (30125885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 良一 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (50323481)
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Keywords | グリセロリン脂質 / ホスファチジルコリン / ホスファチジルエタノールアミン / 脂質二重膜 / Saccharomyces cerevisiae |
Research Abstract |
本研究では、酵母由来のグリセロリン脂質合成系酵素と細胞成分を用いて、実際の脂質二重層膜構造形成のin vitroでの再構成を試みるとともに、リン脂質二重層膜構造の形成に必要な細胞成分の同定を行うことを目的とする。真核生物の主要リン脂質であるホスファチジルコリン(PC)とホスファチジルエタノールアミン(PE)は、コリンやエタノールアミンからリン酸化、シチジリル化、ジアシルグリセロール(DAG)への転移という3段階の反応により合成される。エタノールアミンのPEへの変換の第2段目の反応を触媒するethanolaminephosphate cytidylyltransferase、Ect1に関しては、申請者らの研究により大量精製が可能であった。本年度は、最初の反応を蝕媒する酵素であるethanolamine kinase、 Eki1を,His-tagを付加して大腸菌中で発現させ、Ni-Sepharoseにより精製を行った。精製したEki1と放射標識したエタノールアミンを用いてその活性を測定したところ、ホスホエタノールアミンの生成が認められた。更にこの反応により得られたホスホエタノールアミンと精製したEct1'を混合したところ、CDP-エタノールアミンの生成が認められた。以上よりPE合成の3段階の反応のうち、最初の2段階目までの反応のin vitroでの再構成に成功した。来年度は、これらの反応の最適化を行うとともに、3段階目の反応を触媒する酵素であるsn-1,2-Diacylglycerol ethanolaminephosphotransferase、Ept1の発現と精製を同様に行うことにより、in vitroでのPE合成と脂質二重膜構造形成の検証を行う。又、コリンからのPC合成に関わる酵素の精製や、ジアシルグリセロール合成に関わる酵素の精製も行い、脂質二重膜構造形成の検証を行う。
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