2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15658038
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
梶原 忠彦 山口大学, 農学部, 教授 (90035121)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 健二 山口大学, 農学部, 助教授 (90199729)
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Keywords | 海藻 / 緑藻 / ハネモ / 性フェロモン / 誘引物質 |
Research Abstract |
海藻の雄性配偶子誘引物質については、褐藻のなかでも下等な褐藻シオミドロよりエクトカルペンがはじめて明らかにされて以来、現在までに、炭素数8あるいは、11の特異な化学構造の炭化水素あるいは含酸素化合物である11種類の揮発成分がいずれも褐藻から明らかにされている。近年、単細胞緑鞭毛藻から雄性配偶子を誘引する性フェロモンとして非揮発性のラーレン酸とラーレノールの2つの化合物が明らかになっている。しかし、海産緑藻の性フェロモンについては、まだ明らかにされていない。しかし、最近、海産緑藻ハネモの雄性配偶子誘引現象が、富樫らによってはじめて報告された。そこで、その誘引活性物質の探索を行った。まず、予備的探索として、オオハネモの成熟配偶体を採取し、自然光下でエアバプリングしながら水温を14.5℃に保ち培養を続け、オレンジ色の配偶嚢を付けている配偶体を雄性体として、除去して、得られた雌性配偶子懸濁液を100マイクロメッシュのフィルターを通して濾過することによって、誘引活性を有する濾液を得た。次に、その画分の揮発性画分と非揮発性画分についての雄性配偶子誘引活性を比較したところ、非揮発性画分により強い活性が認められた。従って、非揮発性画分を有機溶剤で分画したところ、その活性の大部分は溶媒相に移行すること分かった。しかし、比較のために、雌性配偶子濁液と同様の方法によって得られた雄性配偶子懸濁液についても有機溶剤で抽出したところ、この抽出物にも、誘引活性が認められたことから、両抽出物中の共通成分などの分離・精製や構造解析を行って精査している。
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