Research Abstract |
1.袴形フレームの採集過程ビデオ録画式軽量ソリネット(ソリ部内幅100cm,全長130cm,全高125cm,重量約40kg,抗力約40kg)を設計・試作した。袋網は網口100cm×50cm,全長は400cmで,総ナイロンもじ網(8×8×140経)1脚約3mmである。ナイロンもじ網ならびに網口部補強帆布は柔軟性がないので,網口下部は直接着底する構造ではない。接地性を良くするため,起こしチェーンに捕集網地(ナイロンラッセルもじ網1脚約1mm)をつけた掃底着底具を網口下部に付加した。海底を照明するため,超高輝度白色LED(5W)2個を用いた自動点灯水中ライト(全長11cm×6cmφ,重量360g)を設計・試作した。 2.水深100m前後の沖合域で,防水試験と試験撮影を行った。試作水中ライト2灯つけることにより,海底でもシャッター速度1/100s,感度18dBで小型デジタルカメラレコーダに鮮明なカラー映像を録画することができた。底質が泥では泥煙幕に隠れて網口映像を撮影することができなかったが,砂や砂礫では海水の透明度が高く,映像は鮮明であった。 3.映像の画像処理系への取り込み,採集効率や距離換算手法を開発した。録画テープに記録されたタイムコードで映像を指定することにより,複数の着底曳網時の画像データを自動取得した。砂礫底での画像から,全長6cm程度の魚類やヒトデ類を容易に判別できたが,エビ類の判別は困難であった。現在,ビデオ画像を合成して,着底曳網した連続海底平面画像を作成中である。この画像から,採集効率,曳網距離の推定が可能になる。 4.曳網速度によって,ソリネットの姿勢や接地状況等がどのように変化するか動作試験を実施した。船速を2knotとし,ワイヤー送出・巻き揚げ速度1m/sで投揚網し,ワイヤー送出速度0.5mで曳網した。向かえ潮では着底後にしゃくるような曳網速度の変動が表れ,曳網状態は充分に安定しないこともあったが,総じて着底時も,その後も良好な接地曳網状態を維持した。曳網中,ソリネットは岩礁に乗り上げたが,姿勢を崩すことなく岩礁を乗り越えて着底した。
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