2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15658064
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
茂野 隆一 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 助教授 (60292512)
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Keywords | 知的財産権 / 産業組織 / バイオテクノロジー / 研究開発 |
Research Abstract |
知的財産権保護と社会的便益との関係について、先行研究のサーベイを行ったところ、(1)知的財産権の保護によって、生産資材市場が独占的になる可能性があること、(2)独占的価格によってイノベーションの利益のかなりの部分が独占企業に帰属してしまうこと、等が多く指摘されていることが明らかとなった。また、知的財産権保護の必要性については、当該産業においてインヴェント・アラウンドが容易か否かが大きく影響していることが判明した。本年度はこれらのサーベイの結果を受けて、以下の作業を実施した。 1.実証分析に用いる理論モデルの構築 知的財産権保護が生産資材価格、生産物価格の形成にどの程度の影響を及ぼすかを実証的に明らかにするために、Hansen and Knudson等のモデルを参考に計量モデルの枠組みの構築を試みた。 2.実証分析のための対象品目の選定とデータの収集 上記計量モデルによる分析を行うために、分析対象品目を探索したところ、データの入手可能性等から、遺伝子組み換え大豆に適用可能であるとの感触を得て、当該品目のデータ収集と、近年の概況等に関する情報収集を行った。 3.予備的計測の実施 収集したデータの範囲で、上記計量デルを適用して計測を行ったところ、概ね満足する結果が得られたが、分析のインプリケーションを深めるためにいくつかの定性要因を説明変数に加える必要があることが判明した。 次年度はこれらの定性要因に関するデータを収集し、計量分析を完成させるとともに成果の取りまとめを行う。
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Research Products
(3 results)