2005 Fiscal Year Annual Research Report
湾曲キャピラリーバリヤー原理を応用した土壌汚染拡散防止法に関する研究
Project/Area Number |
15658067
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮崎 毅 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (00209892)
|
Keywords | 平面キャピラリーバリアー / 湾曲キャピラリーバリアー / 毛管現象 / 汚染物質 / 飽和流モデル / 不飽和流モデル / ミクロファネル型毛管モデル |
Research Abstract |
湾曲キャピラリーバリアーの原理はまだよく分かっていない。また、湾曲キャピラリーバリアーの実験例も世界中で報告例が見あたらない。ところが、土壌汚染物質を含む埋設物質の被覆土壌や成層地下構造を持つ自然土層、また、世界各地で発掘されている古墳の内部構造などにおいて、実は多くの湾曲キャピラリーバリアーが存在している。しかし、これまでのキャピラリーバリアーは全て境界面が非湾曲面(平坦斜面)であった。特に、古墳の内部を調べて見ると、湾曲したキャピラリーバリアーが多い。しかし、湾曲キャピラリーバリアーの実験例は世界で見あたらない。本研究の目的は、湾曲キャピラリーバリアーに関する実験方法を開発すること、および、平面上のキャピラリーバリアーの理論をベース湾曲キャピラリーバリアーモデルを構築することであった。 最終年度(H17)までの研究において、平面型キャピラリーバリアーと凹型キャピラリーバリアーについて、理論と実験の良好な一致を見出した。凸型湾曲キャピラリーバリアーについては、理論値と実験値は得られていない。凸型キャピラリーバリアーは、古墳などいろいろな場所で歴史的に活用されている技術なので、解明が急がれる。本研究の中で、ミクロファネル型毛管モデルモデルの重要性を認識するに至ったことは収穫であった。すなわち、ミクロな毛管モデルにおいて、開口部が上に開いている場合と下に開いている場合では、毛管水の保持構造が異なるのであり、それは水と壁面の接触角と密接な関係があることが判明した。今後、この面の理論的研究を進め、新しいキャピラリーバリアーモデルを構築することをめざす。また、これらの研究成果を、平成18年度に米国フィラデルフィアで開催される国際学会WCSSで発表することが受理されている。
|
Research Products
(5 results)