2004 Fiscal Year Annual Research Report
家畜遺伝資源の保全に関する理論研究とデータベースの構築
Project/Area Number |
15658076
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
廣岡 博之 京都大学, 農学研究科, 教授 (60192720)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
守屋 和幸 京都大学, 情報学研究科, 教授 (90159195)
野村 哲郎 京都産業大学, 工学部, 教授 (50189437)
佐藤 正寛 農業生物資源研究所, 遺伝資源研究グループ, 研究チーム長 (70370658)
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Keywords | 遺伝子的多様性 / 在来家畜 / 遺伝資源 / 三島牛 / 近交度 / 交配計画 / 最小血縁選抜 / 和牛 |
Research Abstract |
本研究は、家畜の遺伝資源の保全について、理論的研究と実証的研究の両面から検討した。本年度は、理論研究として、第1に家畜の遺伝資源集団の特性を維持しながら繁殖形質を選抜するための制限付きBLUP(R-BLUP)法の代数学および幾何学的特性を明らかにした。これまでRBLUP法には遺伝的改良量に対する単一の評価基準が示されていなかったが、本研究の結果、RBVを選抜反応の評価基準とすることで,家畜遺伝資源集団の選抜に対する評価を容易に行えることが明らかとなった。第2に、家禽類の系統維持の選抜・交配システムを検討し、各ケージ内から雄1羽と雌n羽をランダムに選び、かつ雄をきょうだい間の交配を避けるように配置する方法が、最も低く近交を抑えられることを理論的に証明した。実証研究としては、第3に昭和初期から現代までの和牛の発育様相を成長曲線式で表し、これまでの改良と選抜の歴史と重ね合わせながら、和牛の改良の足跡を辿った。その結果、体重に関しては、昭和初期から現在までに約1.5倍に増加しており、さらに、ここ20年の間に、成熟速度の改良が進み、早熟になっていることが示された。また、未改良種のころの和牛の姿を残し、小集団ながら長期にわたり選抜されることなく、保全されてきた見島牛の発育を成長曲線に当てはめ、成熟時体重はわずかに250kg程度であることを示した。ソフトウエア開発としては、最小血縁交配における最適組み合わせを求めるWindowsプログラムをVisual C#.net2003を用いて作成した。具体的には所与の対象個体間の交配から期待される次世代の近交係数の集団平均値を最小とするような最適な交配組み合わせを求める最小血縁交配法に、最適化問題の解法のひとつである整数計画法を用い、Simplex Methodで得られる厳密解とシミュレーテッド・アニーリング法で得られる準最適解について、兵庫県家畜改良センターブロイラー系統のデータを用いて検討を行った。
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Research Products
(6 results)